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FabLab平塚β(KU Fab Studio)(神奈川県平塚市)

日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は神奈川県平塚市にある「FabLab平塚β(KU Fab Studio)」。神奈川大学経営学部が運営する、オープンなものづくり施設だ。
※FabLab平塚βは2016年4月にFabLab平塚に名称を変更しています。当記事の情報は2015年の取材時点のものになります。(編集部)

「FabLab平塚β(KU Fab Studio)」は、2014年10月に神奈川大学経営学部国際経営学科の湘南ひらつかキャンパス内に「KU Fab Studio」として開設された。その後、2015年9月に世界中のものづくりをしている人たちと交流できる場になれるようファブラボになることを目指して「FabLab平塚β(KU Fab Studio)」に改称。創設者は経営学部国際経営学科の道用大介准教授だ。

経営学部がなぜファブ施設を運営しているのだろうか。

「経営学部の学生たちの多くは、ビジネスプランや商品企画を発表する場合に、スライドだけというのがほとんどでした。しかし、そのようなプランを外部に持っていっても相手にされないだろうというのがありまして。実際作ってみる、やってみるという文化を根付かせたいと思い開設しました」(道用准教授) 

このスペースは、もともとは廊下だったところを仕切って使用している。暖房がなく冬は寒いが、運営スタッフが泊まりこむこともあるそうだ。 このスペースは、もともとは廊下だったところを仕切って使用している。暖房がなく冬は寒いが、運営スタッフが泊まりこむこともあるそうだ。

約1年半かけて、学内での同意を取り付けてスペースをオープン。道用准教授と、そのゼミに所属する3年生4人によって運営されている。利用は無料で、神奈川大学の学生だけではなく、一般の人も利用することができる。

「学生たちにものづくりをしてもらいたいという意図のほかに、いろいろな人に会ってほしいと思っていました。湘南ひらつかキャンパスは駅から遠く、社会の人と接する機会がアルバイトくらいしかありません。神奈川大学の学生として外部の人と接する機会を設けるにはこちらに来てもらうのがいいかなと考えて、オープンなスペースにしています」(道用准教授)

学生のほかにもプロダクトデザイナーや靴職人などが訪れて作業をしているほか、近隣の小学校から生徒が見学に来たり、土日には家族連れも訪れるそう。また、この施設に興味を持った他大学の学生が見学に来ることもあるそうだ。

学内での認知は進んでおり、学生の利用率は高まっている。当初は理学部の学生の利用が多かったが、現在は経営学部の学生の利用が圧倒的に多い。そして、実際のものづくりが社会との結びつきを生み出している。

スタッフの永田隆介さんは、3Dプリンタでメガネを製作して「3Dモデラボ」のコンテストに出したところ優秀作品賞を受賞した。その後、3Dプリンタを使ったメガネの新しい販売モデルを、メガネメーカーに売り込みに行くという経験をしている。

「最初はなぜ実際に作らなければいけないのだろうと思っていましたが、実際にやってみると、ビジネスの知識や経験につながりました」(永田さん)

永田さんは、FabLab平塚β(KU Fab Studio)での経験を通して学んだことを、FabLearn Asia 2015で発表したそうだ。 

永田さんが3Dプリンタでプリントしたメガネ。 永田さんが3Dプリンタでプリントしたメガネ。

 FabLab平塚β(KU Fab Studio)は、学内外でワークショップなどを開催し、大学側も掲げる「地域交流」に力を入れている。道用准教授は、2015年8月にボストンで開催された「第11回世界ファブラボ会議」(FAB11)に出席し、世界中にあるFabLabのネットワークの大きさを実感したという。

「学生たちには、僕を驚かせてくれるようなことをどんどんしてほしいと思います。ものづくりだけではなく、国際交流の場としてこの場所が機能してくれるようになって、学生たちにもっと広い世界を見せてあげられるようになりたいですね」(道用准教授)

FabLab平塚β(KU Fab Studio)の運営は、ほとんど学生スタッフに任されているという。施設を利用する学生はものづくりのノウハウを学べ、運営スタッフは、それに加えて施設運営のノウハウも学べることになる。大学内にあるファブ施設としては理想的と言えるのではないだろうか。

「いま興味があるのが、誰かにものづくりを教えるということ。作ることから発展して、自分の学びにつながっているなと感じています」(永田さん)

左から運営スタッフの原瀬さん、永田さん、原田さん、そして道用准教授。1年前まではデジタル工作機などほとんど使ったことがなかったということだが、今では使いこなしている。 左から運営スタッフの原瀬さん、永田さん、原田さん、そして道用准教授。1年前まではデジタル工作機などほとんど使ったことがなかったということだが、今では使いこなしている。

現在、全国的にファブ施設が急増傾向にある。反面、ファブ施設を運営できる人材が少ないということが懸念されている。もしかしたら、FabLab平塚β(KU Fab Studio)のようなところでファブ施設運営のノウハウを学んだ学生が、全国のファブ施設の運営に携わるようになるかもしれない。そんな将来を感じさせてくれるファブ施設だ。

概要

所在地

神奈川県平塚市土屋2946
(神奈川大学湘南ひらつかキャンパス内)

利用時間

火/水曜 13:30~20:00
木曜 17:00~20:10
土曜 10:00~18:00
※授業や定期試験の都合で変更になる場合あり

Webサイト

http://www.mgmt.kanagawa-u.ac.jp/study/kfs/index.html
Facebookページ https://www.facebook.com/ku.shc.fab/

料金 無料

 

機材

職業用ミシン:「brother Nouvelle 470」 職業用ミシン:「brother Nouvelle 470」
刺繍用ミシン:「brother Innovis SE3800D」 刺繍用ミシン:「brother Innovis SE3800D」
3Dプリンタ:「Bonsailab BS01+」 3Dプリンタ:「Bonsailab BS01+」
カッティングプロッター:「brother ScanNCut CM110」 カッティングプロッター:「brother ScanNCut CM110」
3Dプリンタ:「XYZプリンティング ダヴィンチ 1.0 AiO」 3Dプリンタ:「XYZプリンティング ダヴィンチ 1.0 AiO」
レーザー加工機:「オーレーザー Hajime」 レーザー加工機:「オーレーザー Hajime」
切削加工機:「Roland DG SRM-20」 切削加工機:「Roland DG SRM-20」
3Dスキャナ:「3D Systems Sense」 3Dスキャナ:「3D Systems Sense」
3Dペン:左から「3Doodler: 3DOOD-V1-A1A3-US」、「イーサプライ:EEX-3DPEN01」「サンコー: 3DPENSL2」 3Dペン:左から「3Doodler: 3DOOD-V1-A1A3-US」、「イーサプライ:EEX-3DPEN01」「サンコー: 3DPENSL2」

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