fabなび
FabLab Hamamatsu/ファブラボ浜松 TAKE-SPACE(静岡県浜松市)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は静岡県浜松市にある「ファブラボ浜松」。
メーカーの拠点が多く、ものづくりに携わる人も多い浜松には自宅に工房を持つ人や、お金を出し合って工房を借りる人が少なくないという。ファブラボ浜松も、そんな浜松の文化の中で誕生した本格的な工房だ。
JR浜松駅から西に10kmほど離れた住宅地の中にファブラボ浜松がある。
オーナーの竹村さんの親族が使っていた納屋を改装し、TAKE-SPACEという名前でオープンさせたのが2012年12月。その後、ファブラボジャパンのネットワークに加入し、ファブラボ浜松として2014年7月に再スタートした。
「TechShop(アメリカにある会員制工房)を浜松に作ったら、いろんな人と開発できるんじゃないかと思い、2カ月ほどアメリカに滞在して、TechShopやハッカースペースを見て回った後にTAKE-SPACEを立ち上げました」
その後、ファブラボ浜松としてリスタートしたきっかけは、2013年に横浜で開催された世界ファブラボ会議だった。
「海外のファブラボ運営者と話していて、運営する事に社会的意義を感じているという言葉に感銘を受けました。そこで、自分のスペースもファブラボにするべきだと思い、ファブラボのネットワークに参加しました」
室内には3Dプリンタやレーザーカッターだけでなく、鉄工や木工機械も充実していて、遠心分離機や大型の木材用CNCなども用意されている。
「海外のファブ施設に行くと機材が充実していて、こういう環境があることがものづくりの楽しみに繋がると感じました。自分自身が使いたいという事もありますが、少しずつ増やしていって今に至ります。溶接機があるという噂を聞いたそうで、二軒隣のおじさんから『農機具が壊れたんだけど、これ溶接できる?』って相談を受けたこともありました(笑)。作りたいものがあるのに、知識や機材が無くてあきらめている人に是非使ってもらいたいです。自分自身も過去にそういう経験をしているので、機材が無い事を言い訳にしないものづくりをしてもらえたらいいなと思います」
会員になれば、いつでも利用できるよう合鍵を持つことができるが、木曜日の16時から22時はオープンデーとして、非会員でも利用できる。県外から来る人も少なくない。
「出張ファブラボとして、地元の小学校や地域のイベントでワークショップをすることもあります。学校の先生も3Dプリンタを見るのは初めてという人もいて、生徒だけなく先生にも楽しんでもらっています」
今後は機器の充実と並行して、スペースも広げていきたいという。
「もっと広くして会員専用の作業スペースを充実させ、中長期的なプロジェクトにも使えるようにしていきたいですね。浜松はメーカー企業の拠点が多い事もあって、ものづくりが好きな人が多い街なんです。自宅の中に自分専用の工作スペースを持ってる人や、空きスペースを何人かでお金を出し合って車やバイクのガレージとして運営する人もいて、ファブラボはそういった土地柄になじみやすい要素があると思います。その一方で、県外のファブ施設との繋がりがあったり、海外のファブラボからもプロジェクトのお誘いが結構来ていますので、世界中に接点を広げながら浜松から発信していきたいと思います」
ファブラボが生まれるきっかけとなったMITの講義「(ほぼ)なんでも作る方法」の6年間分を19週に圧縮し、世界中のファブラボをオンラインでつないで学ぶFabAcademyも、2015年からファブラボ浜松で受講可能になった。浜松から世界に発信しようとするファブラボ浜松に興味を持った人はメールで施設見学を申し込んでみよう。
概要
所在地 | 静岡県浜松市西区西鴨江町3645 |
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営業時間 |
会員 |
Webサイト | http://www.take-space.com/ |
料金 |
会員 |
備考 |
毎月第2月曜19:30から会員/非会員間の交流を目的としたオープンミーティングを開催 |
機材
※この他にも旋盤や卓上フライス盤、ボール盤、バンドソーなどのアナログ工作機械が用意されている。