fabなび
【移転】HappyPrinters原宿(東京都渋谷区)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は東京都渋谷区にある「HappyPrinters原宿」。OpenFactoryが運営する、デジタルプリントに特化した施設だ。
※当施設は南青山に移転しています。本記事は取材当時のものです。(fabcross編集部追記 2023年5月19日付)
HappyPrinters原宿のオープンは2013年7月。広告代理店に勤務していた堀江賢司(代表取締役)さんと、デザイン事務所に勤務していた杉原彩子(CCO:Chief Creative Officer)さんが、お互いフリーになったタイミングで「何かをやりたい」ということで模索し、開設に至ったという経緯がある。
堀江さんの実家は、愛知県で旗幕(ノボリ)を印刷する工場を経営。その関係から、プリントに特化したファブ施設になった。現在は大判プリンタの他、UVプリンタ、レーザーカッターなどの機材が利用できる。
「最初は布に特化したプリント工房にしようと思っていました。ただ、せっかくだからメーカーさんも巻き込んだらおもしろいと思い、各メーカーさんにお話を伺いました。そこで、大判プリンタもいいけれど、UVプリンタがおもしろいと聞いて導入しました」(堀江さん)
当時のファブ施設は、3Dプリンタやレーザーカッターなどが主流。しかし、写真1枚あれば手軽に出力できる「デジタルプリント」に着目したのが、HappyPrintersのおもしろいところだ。
オープン当初はクリエイターの利用が多いと予想したようだが、一般の人の利用も当初から多かったようだ。
「今はクリエイターと一般の方の利用が同じくらいです。孫の写真を持ってきてスマホケースなどにプリントしたいといった方や、結婚式のウェルカムボードを作りたという方がいて、オープン当初の予想とは違いましたね」(杉原さん)
また、オンラインのハンドメイドマーケットが盛り上がってきたことで、個人が手作りのアクセサリーなどを販売するケースが増えている。そこで、20個や30個といった少数の商品にUVプリンタで印刷をするというクリエイターも増えているということだ。
OpenFactoryでは、2015年9月より「HappyFabric」というWebサービスも開始した。これは、世界中のクリエイターがデザインしたファブリックデザインを1m単位で購入できるというもの。
「HappyFabricは、通常は購入できない少ロットのオリジナルデザインの布をオンラインで受注し、工場でプリントして出荷します。実際に店舗に来られない方でも利用できるというメリットもあります」(堀江さん)
もっと一般の方にもものづくりの楽しさを知ってほしいということで、ワークショップにも力を入れているという。現在は月に2回ほど行っているそうだ。テーマは、初心者でもその場で完結できるものづくり。これまで、猫バッグやアクリルメモボード、帯留めなどのワークショップを開催してきた。
「一度体験してもらえば、機械の使い方なども覚えてもらえます。そうすれば、次に訪れた時にスムーズに作業ができるようになるかと思います」(杉原さん)
HappyPrintersには、「小さいけれど世界一ワクワクする印刷工場」というキャッチフレーズがある。ファブ施設にはアカデミックな方向性を持つところもあるが、HappyPrintersはあくまもで「楽しさ」を追求しているスペースだ。
「うちはハードルが低いと思います。会員制でもないし、予約は一応してもらいますが、ふらっと来ても利用できます。プリント作業なので、データはそこまで必要ない。写真を1枚持ってくれば対応できます。初めてのものづくりがHappyPrintersだと言ってもらえればうれしいですね」(杉原さん)
お気に入りの写真を持って、HappyPrintersを訪れてみよう。きっと、ものづくりが「楽しい」と感じることができるはず。そして、もっと何かを作りたいと思うことだろう。
概要
所在地 |
東京都渋谷区神宮前3-27-5 |
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営業時間 |
11:00~19:00 |
定休日 |
不定休 |
URL | http://happyprinters.jp/ |
料金 |
UVプリンタ レーザーカッター テープクリエイター Latexプリンタ |