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メイカースペースの作り方

どんなメイカースペースを作る?——理想に近い場所を自ら使うことから始めよう

分からないからこそ、使ってみる。

実際に自分で手を動かしてみたり、その場で過ごしてみたりすることで分かることがある。(写真は東京・足立区の試作工場、撮影:淺野義弘) 実際に自分で手を動かしてみたり、その場で過ごしてみたりすることで分かることがある。(写真は東京・足立区の試作工場、撮影:淺野義弘)

自分が運営したいモデルが見つかったら、そのモデルに近いメイカースペースを利用することを勧めたい。

メイカースペースに限らず、新しいサービスを導入する際、先行する事業者にコンタクトを取り、「見学」や「視察」と称して調査するケースが多い。しかし、1時間程度の見学では、置いている機材や内装は把握できても、どのように機材が使われているか、逆に使われていないか、運営するスタッフに求められるスキル、どのようなイベントやワークショップが開催されているかなど運営面の本質は分からない。

特にメイカースペースはノウハウがまとまった書籍があるわけでもないし、飲食店のような開業支援サービスが充実したビジネスモデルでもない。機材利用料や会費以外で、どのように収益をカバーするか、どのような企業や団体とコラボレーションするかといった戦略は立ち上げ前にこそ練っておきたいものだ。

また、企業の中でメイカースペースを立ち上げるのであれば、何度か利用してみて、自分たちの環境や事業と照らし合わせて、どのように運営すべきか議論を重ねても遅くはない。むしろ、立ち上げた後に当初の目論見から悪い方向に進み、運用に難のある機材や誰にも使われない機材を導入するといったことを避けるためにも、まずは自分たちが利用者側に回ってみることが重要だ。

機械の運用だけでなく、集客はどのように行っているか、どのように施設外の団体や企業とコラボレーションを行っているかといったマネタイズに近い情報も収集しやすい。 

本当に重要なのは3Dプリンターやレーザーカッターじゃない

機材はお金さえあれば、ノウハウがあっても無くても買える。しかし、機材はメイカースペースの一つの機能であり運営するためのツールに過ぎない。サスティナブルなメイカースペースにしていくためには、機材運用だけでなく以下についても目星を付けておく必要があるだろう。

集客方法
SNSの運用やウェブサイトによる宣伝、ワークショップの企画、外部の企業や団体とのコラボレーションなど

収益手段
月額利用料や機材利用料、イベントなどの場所貸し、機材を活用した受託開発/制作、自分たちの主催によるイベントやワークショップ、企業や団体からのスポンサード。
※非営利での運営の場合は利用者数と利用実態の記録、運営目的に沿ったKPIの測定

運営リソース
集客と収益手段を見越した上での必要な人材採用と育成

次回以降は各タイプの運営者に取材し、メイカースペースを続けていくために必要なことは何かを探っていきたい。

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