PLEN THE DRIVER PROJECT
2カ月で実現! PLEN×FabCafeが目指すロボットの未来
2005年、 200体限定で製造され「Desk Top Robot」というコンセプトのもとに作られたロボット「PLEN(プレン)」。卓上にぴったりの身長約25cm、重さ約700gのコンパクトモデルは、発売当時にデスクトップロボットとして世界最小サイズを誇った。
その特徴は、親しみやすく可愛いルックスにもある。加えて、18個のサーボモーターと関節がスムーズな動きを実現し、ローラースケートやスケボーまで乗りこなすバランス制御が好評を得ていたのだ。
実は、PLENの開発は一時休止していたのだが、「Engadget fes 2014」への参加を機に再開を宣言。2014年、復活したPLENの下には新たなチームが結成された。開発を担当するPLENチームと、クリエイターのネットワークを生かしたプラットフォームを持つFabCafeチームの出会い。ここから生まれた「PLEN THE DRIVER PROJECT」について伺った。
PLENを媒介にして、新しい体験を作りたい
2014年10月。プロジェクトのスタートは、PLENチームとFabCafeチームが出会った日のことだった。PLENチームには、PLENをオープンソース化し、3Dデータも公開して誰でも3Dプリントできるようにするアイデアがあった。今後、オープン化していくのであれば、FabCafeのネットワークを使うことで、さらに面白いことができるという確信があったという。
事実、FabCafeには、多種多様な分野でものづくりをしているクリエイターが多く集う。カフェという場所も相まって、多様な人たちとの共創による新しい価値の創造が誘発されているようだ。より多くの人に参加してもらえるプラットフォームを目指すことで、「新しいものづくりの在り方を体現できるのではないか」という思いが高まり、「PLEN THE DRIVER PROJECT」を開始したのだ。
プロフェッショナルな専門分野による共創する関係性
従来のPLENはスマートフォンを使って操作するが、センサを使ったインタラクションに切り替えることで、「PLENが 自動車などのメカを操作する」、もしくは「PLENとメカがコミュニケーションする」ということができないか? というアイデアが出てきていた。
そこで、まずはセンサのプロとして「Tokyo MotionControl Network」に声をかけた。次にメカとデザイン担当として、2014年夏にFabミニ四駆大会で活躍したメンバーでもある「TAK TEK」、「t-o-f-u」に声をかけた。そのとき「面白そう! やります!」と即答してもらい、一気に「PLEN THE DRIVER PROJECT」チームが誕生した。
その後、プロジェクトメンバーには、センサ、プロダクトデザイン、メカニカル、ソフトウェアと各分野のプロフェッショナルがそろった。各チームの接点はFabCafeにあったことから、FabCafeが全てのチームを繋ぐハブとしての役割を担ったことになる。
PLENプロジェクトが目指す世界に共感するクリエイター同士だからこそ、一緒に何かできないか? という思いは加速した。2014年11月24日のEngadget fes 2014まで、残すところ2カ月というのが当時の状況だ。
メンバー紹介
【Tokyo MotionControl Network】
2013年8月に飲み会が発展して自然発生した3Dセンサ&デバイスに関するオープンコミュニティ。 Microsoft Kinectに代表される3DセンサやOculus Riftなど、数万円で開発環境が用意できる面白ハードがテーマ。
【t-o-f-u】
自動車のデザインを専門とするデザインユニット。自動車ならではの美しいモデルデザインはもちろん、機構を加味したデザイン設計も得意。
【TAK TEK】
電子工作、機械などの構造設計が得意。FabCafeではArduino搭載の自動速度調整機能付きミニ四駆や、オープンリールアンサンブルとのコラボではLEDオープンリールの作成など、デザイン性と機能性の実現力が抜群。
【インターカルチャー】
オンライン3Dサービス
【FabCafe】
グローバルに展開するデジタルものづくりカフェ