アジアのMakers by 高須正和
インド映画のように濃厚な喜びに満ちた、踊るMakerの祭——ムンバイMaker Mela 2017レポート
オープンソースハードウェアの出展
いかにもMakerイベントらしいオープンソースハードウェアや教育ツールも出展されている。
このeviveはソマイヤ工科大の卒業生が開発したツールで、Arduinoをコアにオシロスコープやテスター、外部へ3.3Vや5Vの電源供給も可能にしているマルチツールだ。まだ3Dプリンタで外装を作っているプロトタイピング段階だが、すでにクラウドファンディングを成功させ、アーリーアダプターから評価されている。
ムンバイの周辺だとアフマダーバードに製造業者がいくつもあり、そこでの量産を考えているそうだ。
こちらはインドのスタートアップ企業が開発した、子ども向けの電子回路/ロボット教育ツール。littleBitsやGroveのように、ハンダ付けをしなくても電子回路を作ることができる。拍手ロボや口をあけるロボなどの作成がユーモラスでかわいい。
絵画、服飾なども展示
絵画や服飾などのクラフト系の展示も多い。絵画はインド独特の、ヒンドゥーの神々がモチーフになっている。別の日にムンバイの街を歩いたのだが、美術館がいくつもあり、そこに多くの学生が訪れているなど、絵画への興味がうかがえた。
徹底的に楽しむマインド
個々のブースももちろん興味深いが、より強く印象を受けたのは徹底的に楽しむマインドだ。ずっとNecomimiをつけて歩いていたせいもあるだろうが、いろいろなブースで「どこから来たの?」「セルフィーを撮ろうよ」と呼び止められる。こっちから撮影する写真もどれもとびきりの笑顔。
2日間のイベント中、100枚以上はセルフィーを撮影された気がする。まるで観光地の物売りのように、「見ていけよ」「写真一緒に撮ろうよ」と出展者たちが寄ってくるのだ。そしてイベント終了後、冒頭で触れたダンスの部が始まる。その間も皆は笑い、踊りながらセルフィーを撮りまくる。
僕のTAKASUという名前はおぼえやすいし、プレゼンを2回やったのでイベントのパンフレットには名前が書いてある。イベントが終わったら、数十人からFacebookのリクエストが届いていた。インド・ムンバイの人々を身体中で感じられて、Makerとしての喜びをシェアできる。Maker Melaは素晴らしいイベントだった。