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アジアのMakers by 高須正和

シンガポールでは10日間2万円で電波認証(いわゆる技適)が取れた

僕は先日、シンガポールでBluetoothの認証を取得した。かかったのは250シンガポールドル(2万円弱)、ゼロから調べ始めて、実際に許可を取るまでの期間は週末込みで10日間だった。次からは一瞬で、ゼロ円で新しい機器の認証が取得できる。このシステムはとても良くできていると思うのでレポートする。

Wi-FiやBluetooth機器をシンガポールで売りたい

僕の勤めているチームラボの製品にシンガポールから問い合わせがあり、シンガポールで無線通信機器を売る場合の手続きを調べることになった。アメリカだとFCC認証、日本だと技適(技術基準適合)などと呼ばれる無線機器の認証は、手間もお金もかかることで知られている。

リンク:無線局機器に関する基準認証制度(総務省)
自前で技適を取得し、中華の安価なBluetoothモジュールを使って製品を作る方法(Cerevo)

シンガポール国立大(NUS:National University of Singapore)で研究者をしている友人などに質問したりしつつ、シンガポールの総務省にあたるIMDA(Infocomm Media Development Authority)のサイトを見ると、トップのメニューに「REGULATIONS, LICENSING AND CONSULTING」の文字がある。間違いなくここだろう。

シンガポールの総務省にあたるIMDAのサイト。 シンガポールの総務省にあたるIMDAのサイト。

箇条書きの分かりやすいページを見ていくと、ライセンス→無線機器を売る(Licence for The Sale of Telecommunication Equipment)のメニューに行き着き、複数のライセンスが書いてある。どのライセンスが僕たちの売りたい機器に合うのか調べるために、ガイドラインのPDFをクリックしたところで、質問していた友達からも同じPDFが指示され、ここを読んでいくことになった。

電波の強さで区分されている

PDFは英文で25ページあり、僕はあまり英語が得意じゃない。携帯の無線局から船舶無線からぜんぶ書いてあるようなので、Bluetoothという言葉で検索したら、機器ごとに区分した表が見つかった。

無線機器区分ごとの表。 無線機器区分ごとの表。

ESERとGERという略称も検索したら、ESERが登録スキームそのもの、GERが強い電波を発するもの向けの拡張登録のようなもので、今回はESERだけで済むようだ。機器区分のそばに、無線機器の区別(多くは電波出力の強さで分けられる)フローチャートもあった。

フローチャートの一部。全体でもA4一枚のコンパクトなもの。Wi-Fi、Bluetoothのような弱い無線機器は、登録のみで販売できるようだ。 フローチャートの一部。全体でもA4一枚のコンパクトなもの。Wi-Fi、Bluetoothのような弱い無線機器は、登録のみで販売できるようだ。

ドキュメントを読んだところ、

  • フローチャートの一番上にある、TLS(Telecommunication Licence System)で申し込むこと
  • Bluetoothなどの出力の弱い無線は、登録のみで利用でき、登録料は無料
  • 登録するためには「登録できる業者になる」ことが必要で、Individualライセンス(機器の開発も行う業者向け。5年間有効のライセンスが250シンガポールドル)とDealerライセンス(無料)の2つがある

ことが分かった。Individualのライセンスを取得することにしたが、お金のかかる話なので間違えるのが怖く、以前のイベントなどで知り合ったIMDAの人たちに「こういうことをしようと思って、こう調べたけど、合ってる?」というメールを出して終了。フルタイムでなく、他の仕事もしながら調べ始めてからここまでで、3日ほど経過していた。

Individualライセンスを取得する

週末を挟んで4日ほどでIMDAから返信が来た。ほぼ調べていたのと同じような内容だったので、ライセンスの申し込みをすることにした。シンガポールでは、飲食店の開設でもなんでも、LicenceOneというサイトでまとめて管理されている。サイトを訪問すると、省庁別のメニューが見つかった。

LicenceOneの省庁別メニュー LicenceOneの省庁別メニュー

IMDAを選択すると、先ほど調べたような無線関係のライセンスがいくつも出てくる。調べておいたTelecommunication Dealer's Individual Licenceを指定する。シンガポールでは住民みんなが持っているSINGPASSというIDがあり、政府系のサイトは何でもこれでログインする。図書館のカードを作るときなどでも使う。大事なIDなので、携帯のSMSで二段階認証が行われる。

今回はSINGPASSでログインし、会社名義で申し込むことにしたのでチームラボシンガポールの会社IDを入れると、登録してある情報がデータベースから引き出されて、以後は僕の名前も会社名も(もちろん住所やそのほかも)入れる必要なしで手続きが完了する。引き出された情報が間違いないか確認して、OKボタンを押すと手続きが終了した。

2日後、250シンガポールドルの支払い依頼が来て、オンラインバンクで振り込みを行うとライセンスIDが交付された。紙があるわけではなく、オンライン上のものだ。

機器を登録する

ライセンスIDが発行されると、IMDAのライセンス管理サイトで機器の登録ができるようになる。ライセンスIDがなくても、前述のSINGPASSでログインして、登録されている機器の一覧を見たりできるが、機器の登録にはライセンスが必要だ。

機器の認証管理サイト。認証済みの機器などを調べることや、新しい機器の登録ができる。 機器の認証管理サイト。認証済みの機器などを調べることや、新しい機器の登録ができる。

電波の出力、周波数などが書かれたドキュメントを登録することで手続きが完了する。今回は調査なので、とある日本製のBluetoothマイコンを登録してみたところ、無事データベースに反映されていることが確認できた。あとは、販売時に本体か外箱かマニュアルなどに、自分たちのライセンス番号を書いたステッカーを貼れば、シンガポールで販売できる。

ライセンスタグの書式 ライセンスタグの書式

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