1カ月1000円工作
新生活に役立つものを1000円で作っちゃおう!
どんなものができたのか!? いざお披露目!!
そんなこんなで、時間はあっという間に過ぎていき、4月になりました。いよいよ、「1カ月1000円工作」初のお披露目会です。残念ながら、サラリーマン工作員1号(?)のサワイさんは欠席ですが、2号のムカイさん、町田さん、そして初回欠席したやまざきさんにもお越しいただきました。
それでは、発表です! まずはサラリーマン工作員から。
二人は「ものづくりをやってみようと思わせる」というコンセプトを掲げ、「先輩から新入社員へのプレゼント」を想定して作りました。
まず一つ目。「ヤルキの見える化」をテーマにしたムカイさん作の「積読棚」です。
ムカイさん曰く「先輩に勧められた本。でもあまり読む時間がない。だけど読む気はありますよというアピールをするための本棚です」とのこと。
サイズは机の上に置けるくらい。大中小3つのブロックで構成されており、自由に形を変えられます。
素材はMDF。これをレーザーカッターで切り出し、貼り付けています。中には100円ショップで買った超強力マグネットが仕込まれているので、お好きなように形を変えることが可能です。
これ、結構おしゃれじゃないですか。無印○品とかで売ってそう。こちらの材料費、935円です。
次は、サワイさん作の「フリスクポストイットケース」です。
こちら「ヒラメキとイキヌキの出会い」というコンセプトから生まれました。仕事中にフリスクを食べることが多いというサワイさんは、フリスクを食べながらの休憩(イキヌキ)時に、読書や資料などに手軽に付箋を貼れるよう(ヒラメキ)にと、フリスクとポストイットの合体を発想しました。
中身はこのようになっています。アクリル板をレーザーカッターで切り出して仕切りを作り、フリスクスペースとポストイットスペースに分割。フリスクケースにポストイット用のスリットを作っています。
ラベルもお手製。一見フリスクっぽいのがポイントですね。材料費はフリスク込みで901円です。
サラリーマン工作員最後の作品は、「i本カバー」です。「チテキな色付け」がコンセプト。一見普通の文庫本のようですが、開けてみると……。
なんとiPhoneが入るようになっています! ムカイさん曰く「電車の中でスマホをいじっていると、ゲームをしていると思われてしまいます。やっぱり本を読んでいたほうが知的に見えるので、本をiPhoneケースにしてみました」とのこと。家にあった古い文庫本をレーザーカッターで切り抜いたものがこちら。なんかすごく大雑把に見えますが、ちゃんと100円ショップで買ったiPhoneケースが入るように設計されています。
MDFで作ったものがこちら。
カバーも自作。こちらはサワイさん渾身のデザイン。表紙や裏表紙にはメッセージが込められています。著者紹介もしっかりあります。
バーコードは「fabcross」になっています。凝ってるなー。こちらは100円。iPhoneケース代のみ。MDF製のケースは材料費160円です。安い!
全部まとめるとこんな感じです。なんかスタイリッシュですね。これ、デスクに置いてあったらちょっとテンション上がりそうです。
紙芝居プレゼン付きの折りたたみ式ゴミ箱
お次は町田さんの作品。何やらごそごそと出してきたものがこちら。ん? ただの木枠のようですが……。
「大学1年生になって、一人暮らしをする人が何が必要だろうと考えたのですが、意外とゴミ箱が高いことに気づきました。45リットル入るゴミ箱は1300円もするんです。そこで、1000円以内でできる大きなゴミ箱を作ろうと思いました」
はて、これがゴミ箱ですか? みんなが訝しげに見ていると、町田さんはその木枠をするするっと伸ばし始めました。
これ、写真じゃなかなか伝わらないですね。GIF動画で見ていただきましょう。
なんか感動します。それぞれの柱の折り曲がる方向が違うために、伸ばしたときにぐらつきません。この木枠に45リットルのゴミ袋をひっかけて使うというわけです。
使っているのはホームセンターで買った木材と、ビニールテープ、ナットとボルトととてもシンプル。作業段階で作っていた模型は、これのミニチュアだったのですね。
よく見ると、柱が1本足りません。これはわざとそうしているとのこと。「セットしたゴミ袋がいっぱいになったときに、簡単に取り出せるように柱は1本少なくしています」という町田さんのコメントに、「女子力(主婦力)高い!」と思いました。
参加メンバーが、このゴミ箱の構造がかっこいいと盛り上がっているとき、町田さんはスケッチブックを取り出しました。なんでも、開発コンセプトを紙芝居形式でプレゼンするとのこと。大学の新入生がこのゴミ箱を作り、新入生歓迎BBQで使ったらモテモテに! という内容でした。決してフリップ芸ではありませんよ!
しかし、いきなりスケッチブックでプレゼンって、鉄拳かと思いましたよ……。
材料費は715円。スケッチブック代は含みません。
やまざきさんは王道の目覚まし時計
さて、最後はやまざきさんです。やまざきさんは「ウザい目覚まし時計」を製作。まあ、新生活の必需品でもありますし、割と普通だなと思っていたんですが、袋から取り出した作品を見て、みんなびっくり!
なんだこれ! 「ゴールド賀茂鶴」って日本酒じゃないですか!! そしてこの造形が、雑というか、なんというか。これには、メンバー一堂あっけにとられていました。
「それじゃあ、動かしまーす」とやまざきさんがアラームをセット。すると……。
いきなり動き始めました! ゴールド賀茂鶴の左右に装着したミルクフォーマーがブルンブルン回転し、その振動でランダムに動くんです。
これには一同大爆笑。
いやー、これ見た目のチープさといい、卓球のボールに書かれた顔があまり意味がないところといい、突っ込みどころ満載ですごくおもしろい目覚まし時計です。
実は、ミルクフォーマーのホイップする部分(銀色の長い部分)、あえて角度をつけて曲げてあります。そうすることで、全体がブルブル動きやすくしているのです。なかなか考えられていますね、見かけはこんなんですけど。
ちなみに、今回の3組中唯一の電子工作ということで、仕組みについてちょっと解説していただきました。
100円ショップの目覚まし時計を分解したところです。「ピンセットの先端にある金属板のところがミソ。金属板は、通常基板から少し浮いており、アラームをセットした時刻になると板がぐっと押し込まれ、基板に接することで電気が流れ、音が鳴るという仕組みのようです」
「金属板と接する基板側の接点と、電池のプラス側の接点に配線しました。ハンダ付けする時に歯車にハンダごてを近づけると溶けちゃうので注意してください(一旦はずしたほうが作業しやすいと思います)」
「ミルクフォーマーを分解しました。非常にシンプルな構造です。スイッチ部分をよく見ると、電池のプラス側がモーターの外装と接するようになっているのを発見! 電池部分の部品点数を極力減らして、シンプルな構造にすることで、100円を実現しているわけです。コストダウンのノウハウが半端ないですね」
「モーターを、先ほど目覚まし時計のアラーム部分から取り出した配線とつなげます」
「泡だてリングの軸を曲げることで、モーターの振動をより大きくし、ウザさをアップさせます」
これらを組み立てたものが、「ウザい目覚まし時計」となるわけです。目覚まし時計にウザさを追い求めているところが特徴でしょうか。
頭の部分は卓球のボールをホットボンドで付けているだけなので、付け替え可能。表情を変えて遊んでみるのもいいかもしれませんね。
こちら、材料費は約400円。電池代込みだそうです(安いね)。
次回のテーマは「梅雨に役立つグッズ」
ということで、第1回「1カ月1000円工作」は大成功(?)に終わりました。1000円あれば何でもできる! そんな勇気をもらえた企画だったのではないでしょうか。
さて、この企画は継続的に続けていきます。第2回のお題は「梅雨に役立つグッズ」。ジメジメした梅雨を楽しく過ごすグッズや、快適にするグッズなど、1000円以内で作っていただきましょう。
なお、この「1カ月1000円工作」で作った作品は、8月6・7日に開催される「Maker Faire Tokyo 2016」のfabcrossブースで展示予定。1000円で作ったグッズのクオリティは? ほんとに使えるの? ウザさを実感したい! そう思った方は、ぜひ足をお運びください!
では、また次回お会いしましょう!