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ものづくり系女子×エンジニア

アロマスタンドを3Dプリンタで作る (プリント編)

いよいよ完成!

—完成作品— 

家の形のアロマスタンド 。煙突部分からアロマが香るイメージ。しぶや図工室のサンプルデータを改変。
皆川さん作。破損することなく、繊細な手毬のようなアロマスタンドが完成
鈴木さん作。ロッカーの磁石にかけた天秤型。部屋の中の好きな場所に香りを吊るすことができる
作品を持って記念撮影

それぞれの作品が完成したところで、感想を聞こうとしたところ、先生が質問攻めにあっていた。「天秤型や鳥かごが壊れたのに、1mmくらいのトリくんの足がどうして造形されたんですか?」「今回、天秤型や鳥かごは寝かせた状態で造形したのに対し、トリくんは小さかったので縦方向に造形しました。積層は上下のくっつきが強度に大きく影響します。一層一層の断面積が上下の接着面積となるので、一本の棒を造形するとき、横方向だとより長い面で接着されるから、強い。縦方向でも、自重を支えられれば問題ありませんが、天秤のように下が重い構造だと接着面をもっと増やす、例えば棒ではなく壁にした方がよかったでしょう。 トリくんは縦方向で足の棒が造形され、接着面積は少ないですが、棒の先にある足も小さくて軽かったので、慎重に取り出してあげた結果、綺麗に造形できたんですね。割りと奇跡だとは思います(笑)」

それぞれ感想を口にしながらも、みんなが手元の作品から目を離せない様子。「さっきまで3Dデータだったものが、実際に触れるものになって感動しました!」とのこと。鈴木さん、佐藤さんは失敗を恐れず体当たりで挑戦した結果、ご褒美をいただけたようだ。 

おわりに、3D FABに取り組んだ感想を、2人のエンジニアに聞いてみた。

「その場で設計したものが、数時間で形になって実際に触れるのはとても面白かった。CADの経験がある分、無料CADソフトの簡易操作に慣れる必要があったがブーリアンの和と差のみで形状が作れるので、初心者には感覚で操作できるところがいいと思った。今度は他のソフトを使って、3Dプリンタでしか作れない形状に挑戦してみたい」(佐藤さん)

「業務では『CATIA』(編集部注:ダッソー・システムズのハイエンド3D CADソフト)を使っていますが、あくまで仕事のためのツールという認識だった。今回、無料CADソフトを使ってみて、想像していたよりもはるかに複雑なモデリングが可能だったのに驚いた。あれだけのツールがあれば自分の思い描いた形状がかなりの精度で作れるし、ひらめいたアイデアを個人で形にできる時代になってきたんだなと実感した」(鈴木さん)

すぐに形にできるということは、アイデアに形を与える想像の過程が肝になること、トライアンドエラーを速いサイクルで回すことができるデジタルものづくりの可能性をものづくり系女子と一緒に体験した佐藤さんと鈴木さん。出来上がった作品を手に持ってはしゃぎながらも、「無料CADソフトの使い方に慣れたらもっとすごいものをデザインして3Dプリントしたい」と次回の制作に意欲を燃やしていた。しぶや図工室では、全6回の連続講座で3Dスキャンから3Dプリントまで体験することができるほか、キャンドルの型を3Dプリントで作る単発のワークショップなど多彩な講座を開催している。ものづくり系女子もメカ系エンジニアも集まる3D FABの図工室で、ものづくりを始めてみよう。

tinkercad,123Ddesignでのモデリング

3Dプリンタでの出力

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