ものづくりラボ短期集中連載
3Dプリンタを改造しよう!——液晶ディスプレイでスタンドアローン化しよう!
連載「3Dプリンタを改造しよう」も第4回、最終回を迎えました。改造するのは、「液晶ディスプレイ」です。
スタンドアローン化とは?
もともとは、接続されたPCから送られてくる指令を3Dプリンタが読み込んで動く、というものです。しかし今回は、3DプリンタをPCに接続しなくても単体で動くように改造、つまり「スタンドアローン化」します。そして、ノズルの温度や途中経過など、今までPCに表示されていたものを液晶ディスプレイに表示します。
作業の流れとしては、最初に、液晶ディスプレイを固定するパーツを3Dプリントします。次に、「BS01+」の制御ボードのファームウェアを書き換えます。そして最後に、液晶ディスプレイを制御ボードに接続し、 3Dプリントしたパーツを使って、液晶ディスプレイを3Dプリンタに固定します。
ではさっそく改造していきましょう。
まず、改造に使う「RepRap RAMPS 1.4 LCDコントロールパネル12864」液晶ディスプレイを用意しましょう。Amazon.co.jpなどのEコマースサイトで購入できます。
次に、液晶ディスプレイを3Dプリンタ本体に固定するパーツを3Dプリントします。
この2つのリンクから、液晶ディスプレイケース、ケースの裏ぶた、セレクトボタン、リセットボタン、固定するケーススタンドの5パーツのデータをダウンロードして、プリントします。 これで今回使うパーツがそろいました。
では、BS01+の制御ボードのファームウェアを書き換えます。「制御ボード」とは、3Dプリンタの中にあるマイコンが載った基板のことを言います。制御ボードに書き込む「ファームウェア」というのは、PCなどから指示が送られてきた際にどのように動くかや、プリンタがどのような形状をしているか、どこがホームポジションか、など3Dプリンタ本体に関する詳細が記述されているものです。同じ制御ボードでも、中に書き込むファームウェアを変えることでいろいろな3Dプリンタで使用できるようになります。BS01+の制御ボードにはfabcrossでもよく目にする「Arduino」互換のマイコンボードが使われています。
ファームウェアを書き換えるために、まずこちらからArduinoというソフトウェア(Arduino IDE)の最新版をダウンロードします。MacやWindowsなど、PCのOSに合ったArduino IDEをダウンロードします。
次に、ファームウェアをここからダウンロードします。ABS/PLA用のプリンタか、PLA専用のプリンタか、書き換える3Dプリンタに合ったファームウェアをダウンロードしてください。ダウンロードできたらzipファイルを展開し、その中から「ino」という拡張子が付いているファイルをArduino IDEで開きます。
ここで、液晶ディスプレイで表示するために、表示形式を表示形式を8bitに変換するライブラリをダウンロードして追加します。Arduino IDEのメニューで、「スケッチ」→「ライブラリを使用」→「Add Library」を開いて、ダウンロードしたファイルをzip形式のまま読み込みます。以下の画面のように「Include Library」の下の方に、「U8glib」という表示があればOKです。