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頭の悪いメカ by 藤原麻里菜

落ちている小銭をスマートに拾える靴を作った

仕組みの解説

片方の靴には金属探知機が付いている。金属に反応すると、ピーッと音が鳴り基板についているLEDが光るのだ。これにより、卑しい表情で小銭を探さなくても大丈夫になった。

私がカンヌにノミネートされてレッドカーペットを歩くことがあるとしよう、そのレッドカーペットに小銭が落ちていても、誰にも気づかれることなく小銭を見つけ、拾うことができるのだ。

小銭を拾うことのできる仕組みだが、ヒール部分にキーボードを掃除するミニ掃除機を付けている。ヒールで小銭を吸引するというわけだ。

ただ、問題が一つあった。ミニ掃除機のスイッチをオンにする仕組みを全く考えていなかった。

分解してスイッチをどうにかこうにかして、遠隔操作でスイッチのオンオフをしちゃおうと考えていたのだが、私が購入したミニ掃除機は、簡単に分解できないように細工されていた。くそ……。大手メーカーの知恵が私の崇高な目的を阻止してきたのだ。

しかもスイッチがめちゃくちゃ小さい。 しかもスイッチがめちゃくちゃ小さい。

なので、SONYから販売されているMESHというデバイスを使うことにした。MESHとは、四角いデバイスとアプリを連携させることで、プログラミングの知識がなくても電子工作ができるスゴいやつだ。

MESH。左がGPIOタグ、右がスイッチタグ。 MESH。左がGPIOタグ、右がスイッチタグ。

スイッチタグとGPIOタグを連携させた。GPIOタグは、サーボモーターを動かすことができる。

(※編集部注…GPIOはGeneral Purpose Input Outputの略。MESHのGPIOタグではアナログ・デジタル信号の入出力や電源出力に対応している。)

MESHのスイッチデバイスに真ちゅうのケースを付けて、ラグジュアリー感をアップさせた。そう、ラグジュアリー感をアップさせるために真ちゅうの板を購入したのだ。2000円くらいした。でも大丈夫、小銭を拾って元を取るんだ。

先ほどのスイッチを押すと、ヒール部分につけたサーボモーターが動いて、ミニ掃除機のスイッチがONになるという仕組みだ。

実はこの工作は、先日東京カルチャーカルチャーで行った「頭の悪いメカ発表会2」というイベントで披露したものだ。ゲストに来てくださった、メーヴェの開発者である八谷さんに「スイッチを押すためのスイッチ……?」と困惑された。正直、八谷さんに言われるまで、このパラドックスに気づかなかった。

終わりに

これで、小銭をスマートに拾うことができる。ちなみに、今回の制作費は、

ミニ掃除機:1000円
MESHタグ×2:1万2000円
ハイヒール:2000円
サーボモーター:5000円
真ちゅう:2000円

計:2万2000円

ほら、小銭を拾えば多分3日くらいで元が取れるはず。でも、拾ったお金は、遺失物としてちゃんと警察に届けよう。それがモテ女の作法。誰か石油王と3:3の合コン開いてくれませんか?

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