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学研大人の科学マガジン 小美濃芳喜インタビュー

大人の科学のふろく開発者は、メカ、エレキ、ソフト、なんでもござれのスーパーエンジニア!

小美濃芳喜さんは、中学時代にヨットを建造し、日本大学理工学部 時代には製作に参加した人力飛行機が飛行距離の世界記録を達成。大学卒業後、アメリカRCA社で電子機器の設計技術を習得した。さらに帰国後は出版社である学研に籍を置き、CCDカメラや教育用パソコンまで、さまざまな機器を開発。メカ、エレキ、ソフトと、なんでも作れるスーパーエンジニアとして活躍してきた。そして、現在は学研の祖業ともいうべき教育出版部門で、「大人の科学」が生み出す数々の魅力的なふろくの開発に携わっている。いつの時代も最先端の技術に接してきた小美濃さんのエンジニア人生を振り返り、その好奇心の源泉を探ってみたい。(撮影:加藤甫)

大人の科学のエンジニア

小美濃芳喜(おみの よしき) 1952年生、東京出身。1985年学研に入社。1990年「〇年の科学」(学年別の科学)のふろくや「大人の科学」の教育教材の企画開発に携わり、現在(大人の科学編集部 教材開発プロデューサー)に至る。 小美濃芳喜(おみの よしき)
1952年生、東京出身。1985年学研に入社。1990年「〇年の科学」(学年別の科学)のふろくや「大人の科学」の教育教材の企画開発に携わり、現在(大人の科学編集部 教材開発プロデューサー)に至る。

毎号ユニークなふろくで人気の、学研大人の科学マガジン。テーマが科学ということもあり、取り上げるふろくは江戸時代のからくり人形からArduino互換マイコンまで多岐に渡る。編集長を中心としたメンバーがテーマを決めるが、そこはあくまで本の編集者。ふろくのメカ、電子回路、ソフトウェアなどは、それぞれの分野の専門家とのコラボレーションによって開発されることも多い。

しかし、編集部側にも技術のエキスパートがいなければ、コストや量産性を考慮して生産までの道筋をつけることは難しい。その編集部内で、長きに渡りふろく開発を担当しているのが小美濃芳喜さん。小美濃さんは定年を迎えた現在も、嘱託としてふろく開発に携わり続けている。しかし、こうした幅広いジャンルに対応できる知識やスキルは、どのようにして獲得したのだろうか? その答えを探るべく、小美濃さんの技術者としての生い立ちを追ってみたい。

小美濃さんの小学生時代にも既に存在していた学研「科学」のふろく。これはそれよりさらに前、最初期のふろく。こうしたものが小学生向けの本のふろくになるというのは、現代ではちょっと考え難い。 小美濃さんの小学生時代にも既に存在していた学研「科学」のふろく。これはそれよりさらに前、最初期のふろく。こうしたものが小学生向けの本のふろくになるというのは、現代ではちょっと考え難い。

少年時代の小美濃さんは、工作好きとして近所で名の知れた存在だった。小学生の頃には飛行機に憧れ、固形燃料を使用したモデルロケットやエンジン付きのUコン(※1)などを作っては、近所で飛ばしていたという。

ふろくの試作品を飛ばす小美濃さん。少年時代に作った紙飛行機のように手で飛ばす模型飛行機「ハンドランチグライダー」を作った時は、その滞空時間が日本記録に迫るほどだったという。 ふろくの試作品を飛ばす小美濃さん。少年時代に作った紙飛行機のように手で飛ばす模型飛行機「ハンドランチグライダー」を作った時は、その滞空時間が日本記録に迫るほどだったという。

「手首のスナップが大事だから、野球部の友達なんかを誘って早稲田大学のグランドで飛ばしたりしていたよ」

船作りに関わった高校時代

その頃一世を風靡したのが、ヨットによる単独太平洋横断航海を記し、石原裕次郎主演で映画化された堀江謙一さんの「太平洋ひとりぼっち」。小美濃さんもこれを読み、自ら建造したヨットで大海原に飛び出すことを夢見た。そして、手先の器用さで近隣の高校まで名を轟かせていた17歳の頃、別の高校のOBら大学生を中心としたグループからヨット建造の誘いを受ける。

「西荻窪の駅からすぐの先輩の家の庭でヨットを作った。そしたら、海に持って行くんだってトラックに載せる時に、家の柱が邪魔して外に出せない。それで柱をぶったぎって、トラックに乗せて行った」

以来、これまでに数隻のヨットを建造。最近は某有名ミュージシャンが所有していたというクルーザー(大型のヨット)を手に入れ、現在も週末には下田のマリーナから沖に出ているという。 

高校時代に建造した19フィートのヨット。ヨット建造は大工仕事といっていいほど本格的な木工作業だが、堀江謙一さんのマーメイド号を設計した横山晃氏によるアマチュア向けの入門書が販売されたため、当時は学生でも挑戦が可能となっていた。 高校時代に建造した19フィートのヨット。ヨット建造は大工仕事といっていいほど本格的な木工作業だが、堀江謙一さんのマーメイド号を設計した横山晃氏によるアマチュア向けの入門書が販売されたため、当時は学生でも挑戦が可能となっていた。

飛行機を作っていた大学生時代

一方、空への夢も尽きず、日本大学理工学部へと進学。当時日本大学は、日本航空学会会長を勤めた木村秀政氏を迎え、ジブリアニメ「風立ちぬ」のモデルでゼロ戦開発者の堀越二郎氏を始め、有名技術者が講師に招かれるなど「空を目指す若者の梁山泊」といった様相を呈していた。

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