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誰でも使えるプロ仕様の3Dプリンターを——Formlabs躍進の原点

国内企業にも製品試作に活用する動き

——日本でもさらにビジネスを拡大するとのことですが、これまではどのような事例がありますか?

新井原:まずは、箱型サービスロボット「PLEN CUBE」の事例があります。Plen Roboticsは、PLEN CUBEの試作段階で、外装と内部メカニズムをForm 2で制作し、各部のクリアランスや表面の手触りを確認しました。従来の金型作成による試作と比較し、コストは20分の1、制作期間は7分の1ほどになりました。

Formlabs Japan マーケティング部 部長 新井原慶一郎氏 Formlabs Japan マーケティング部 部長 新井原慶一郎氏

新井原:また、釣り具の製造販売を手掛ける企業が、Form 2を使ってルアーを試作し、水の中でイメージ通りに動くのか、釣果につながるのかという検証目的に使用しています。他には、ビデオ会議システム用マイクをForm 2で試作し、大声でない普通の会話でもきちんと集音できるマイクの形状や配置を検証するために使われている例などがあります。

Lakatos:これからのものづくりでは、実際に手で触れるようになるまでの期間が短いこと、仕上げや精度が良いこと、失敗が少ないことなどの点で3Dプリンターが選択されていくと思います。試作から製造へと移るところで、データに忠実にスムーズに量産移行できることが3Dプリンターへ求められていると考えています。

ポストプロダクションを自動化するソリューションを提供

——SLA方式の精度は、FFF(熱溶融積層)方式と比較して優れています。ただ、造形後にレジンのべたつきを抑え硬化させるポストプロダクションが必要で、特に個人やMakerスペースでの使用はハードルが高いという声もあります。

Lakatos:SLAのポストプロダクションの課題は、これから出荷を予定している「Form Wash」「Form Cure」という、洗浄と硬化を自動化するソリューションで解決できます。

ドアを上に開いた「Form Cure」。ドアを閉じてタイマーをセットするだけで、造形物を硬化するプロセスが実行できる ドアを上に開いた「Form Cure」。ドアを閉じてタイマーをセットするだけで、造形物を硬化するプロセスが実行できる

Lakatos:これはForm Cureですが、パーツの強度を高め、べたつきをなくすことができます。Form 2で造形した部品を加熱しながらUVライトを照射し、光重合プロセスを完了させます。これを使うことで、個人ユースでも常に造形のプロセスを一貫したものにすることができます。私たちはFabLabやメイカースペースのような、いわゆるMakerムーブメントの中から生まれた会社です。実際の使用例を見て、製品を作り、改良しています。

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