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誰でも使えるプロ仕様の3Dプリンターを——Formlabs躍進の原点

出発点はMITのMedia Lab

——Makerムーブメントの中から会社を立ち上げたという点、ぜひ詳しくお話をお聞きしたいです。

Lakatos:私たちの出発点は、MIT Media Labです。そこに「How to make (almost) anything」というコース(注:Media Labで開講されているNeil Gershenfeld教授による人気講座)があり、私とMax(注:Formlabs創業者兼CEOのMaxim Lobovsky氏)はその講座を受講していました。そこでMedia Labにはまだ世に出ていない技術があることに着目し、それを市場に出すための製品を作ろうということになりました。SLA方式のプリンターに10万ドルも出せる人は限定的です。この技術をもっとたくさんの人が利用できるようにしようと考えました。

弊社の社員数は現在300人、オフィスはボストン、ベルリン、日本の3カ所にありますが、起業時は、Maxim Lobovsky、Natan LinderとDavid Cranorのわずか3人でした。そして3Dプリンターというテクノロジーを特別な技術や学位を必要とせず、一般の人でも使えるものにしたいと思い、5年前にKickstarterで最初のSLA方式の3DプリンターForm 1を出し、300万ドルの資金調達に成功しました。

最終製品が造形できるSLS方式を採用

——もっとも成功を収めた3Dプリンターメーカーと呼ばれるようになったわけですが、次に何を目指していますか?

Lakatos:Form 2の主なお客様ですが、エンジニア、プロダクトデザイナー、建築家、歯科医や宝飾デザイナーといった方が、プロトタイピングやアイデア出しに使用しています。次を考えるうえで、ここは外せません。Form 2を補完するもの、それは精密で美しく、しかも耐久性がある最終製品が制作できるものだと考えました。それが、SLS(Selective Laser Sintering:選択的レーザー焼結)という技術を使った「Fuse 1」です。

Fuse 1はForm 2の上級モデルという位置づけですが、レジンの代わりにナイロンの粉末を素材として使い、高強度の造形が可能です。サポート材も不要で、1回の印刷で多くのパーツを作成できるため、造形物あたりのコストを低くできます。SLS方式のプリンターは、これまで25~35万ドルの価格帯にありますが、Fuse 1は1万ドル(約110万円)から購入可能です。今までの製品同様に、誰でも使える3Dプリンターを目指しました。

これらはForm Cureの内部部品で、実際にFuse 1で出力したものを使っている これらはForm Cureの内部部品で、実際にFuse 1で出力したものを使っている

低価格を実現する秘訣(ひけつ)

——Form 2もFuse 1も、同クラスの他社製品と比較して大幅に低価格です。なぜこれほど安く作れるのでしょうか?

Lakatos:弊社はテクノロジー企業です。従業員は300人ほどですが、その3分の1はMIT出身のエンジニアです。そして製品開発のために、新たな技術を生み出すというよりは、今ある技術を利用することに注力しています。例えばオプティカルシステム(レーザー光を任意の位置に高精度で照射するための光学系機構)ですが、従来のガルバノメーターは高価格だったため、製品化に際してはボトムアップで再設計し、品質と価格面でより良いものを作ることに成功しました。

——既存の技術を再利用することが成功の秘訣ですか?

Lakatos:その通りです。最も優れたビジネス戦略はシンプルだ、ということです。同業者からはもっと高く売るべきというような批判を受けることもありますが、私たちは新しい製品カテゴリーを作るという明確な意図があります。マーケットのシェアを奪うのではなく、マーケット自体を拡大したいのです。

今後、製品が市場にでるまでの期間はどんどん短くなっていきます。3Dプリンターは、製造現場で最終製品を作るために使われるようになると考えていますし、もっと多くの人に使ってもらう、いろいろな人たちがこの輪の中に入ってくる必要があると思っています。

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