DMM.make AKIBA、オープン3周年——今後は量産コンサルティングサービスを拡充
2017/11/17 18:00
DMM.make AKIBAは、2017年11月11日にオープン3周年を迎えた。11月15日に開催された記念イベントから、トークセッション「DMM.make AKIBA 3年間の軌跡とこれから」をレポートする。
トークセッションの登壇者は、DMM.make AKIBA総支配人 橋場光央氏、同エヴァンジェリスト 岡島康憲氏、同コミュニティマネージャー 上村遥子氏の3人、モデレーターはfabcross編集部 越智岳人が務めた。
はじめに、DMM.make AKIBAのコンセプトは「本気で作って、本気で売る」だと上村氏。Makerムーブメントの中で、情報やツール、人が集まるプラットフォームとして、作り手が必要とするすべてのサポートを提供する場所だと説明する。
具体的には、プロトタイピングから迅速に量産化に移行するための「機材」、仲間探しから協業・ビジネス相手まで幅広い「コミュニティ」、技術的な相談や勉強会などの「プロトタイピング支援」、営業やマーケティング領域での「ビジネス化支援」の4つの領域のサポートを提供している。
そしてDMM.make AKIBAの設立の背景として、「2012~13年にMakerムーブメントが起き、特に機材や設備を持たないハードウェアスタートアップが増え、そのための活動拠点を提供しようと考えたのがきっかけだった」と、岡島氏は語る。
これまで100以上のスタートアップが拠点とし、1万2000人以上が施設を利用している。機器を揃えるSTUDIOを使えるプランの利用者が全体の8割だという。また、週末のみ使えるというホリデープランの利用者も2割ほどあり、今後スタートアップにつながるかもしれないMakerの広がりが伺われる。
同施設を拠点とするユーザー企業は、no new folk studioやVAQSO、tsumugといったスタートアップのみならず、ERATO 川原万有情報網プロジェクトなど教育関係や、化粧品大手のロレアルなどメディカル/ヘルスケアまでと幅広い。岡島氏は、オープン当初はエンタメや農業の割合が多かったが、その後メディカル/ヘルスケア、ロボティクス/ドローンなどが大きく伸びてきていると、会員分野別の変化を説明している。
また、スタートアップ会員と頻繁にコミュニケーションをとる立場にいる上村氏は、最近の気になるキーワードは「仲間づくり」だという。ハードウェアスタートアップの中には何かのきっかけで急に活動が進展する場合があり、慌ててマーケティングやマネジメントなどの人材を探すことが多いと、ビジネスを軌道に乗せるためのサポート提供も重要になっているようだ。
そして総支配人の橋場氏は、DMM.make AKIBAが「最新のモノ・ヒトが世界中から集まる場所」になるための行動指針は、スタートアップの「発掘」「日々の開発を支える」「情報発信/事業化を支える」の3本だと説明する。
橋場氏はトークセッションのまとめとして、DMM.make AKIBAがこれまで提供してきたサービスは、スタートアップのアイデアを形にするための設計/試作の支援や、製品化支援までの領域に集中していたと、3年間を振り返っている。
将来へのプランとして、量産から物流・販売に至る「量産コンサルティングサービス」の拡充を計画しており、さらにスタートアップの成功事例を増やしたいと、今後の活動の方向性を明らかにした。
※記事初出時、文中に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。