Dig up the underground「プロダクト一機一会」 by 松崎順一
プラスチックの未来を感じさせたSANYOの扇風機「EF-6PL」
今日から新連載“Dig up the underground「プロダクト一機一会」”を隔週でお届けします。
1970年代の家電に造詣が深く、テレビやラジオ、雑誌にもたびたび登場して、家電蒐集家として活躍されている松崎ジュンイチさんに、当時のトレンドや背景も含めて、独自の視点で当時の家電を紹介していただきます。懐かしさの中に新しい気付きがあるかもしれません。
皆さま、初めまして。家電蒐集家の松崎です。
まず初回は自己紹介を少々お話ししたい。
よく「家電蒐集家とはなんですか?」と初対面の方から聞かれます。確かにこんな職業はないのですが、僕は元々インテリアデザインを20数年やってきて、少しずつその空間を構成する物に惹かれていき、中でも家電の魅力にはまってしまい、現在、家電から人にとってプロダクトとは何かを検証する日々を送っています。
そして今回から蒐集家が検証するプロダクトリサーチをご紹介させて頂きます。
今回は梅雨時期という湿度の高い曇天の中、東京近郊に向い、出会ったのがこれ。夏本番前ということでもないのですが蒐集場所に置かれた扇風機の数々。
その中でもひときわ目を引いたのが70年代のSANYOの扇風機「EF-6PL」。そのスラッと伸びた首と下部のデザインは未来感たっぷり。
下部のデザインはあのテレビ番組に登場した怪獣、エレキングの顔を彷彿させる。
そして70年大阪万博のガス・パビリオンにも近いものがあってとってもレトロフューチャーしている。関係ないけど空気抵抗も小さそう(笑)
早速持ち帰り現在僕のアトリエの一員になっている。これだから蒐集家は辞められないのである。
つづく。
SANYO EF-6PL
発売時期:1974年(昭和49年)
1974年に起きた主な出来事
- セブンイレブンが豊洲に第1号店を出店
- 佐藤栄作がノーベル平和賞を受賞
- ウォーターゲート事件でニクソン米大統領辞任
- 長嶋茂雄が読売ジャイアンツ現役引退
- 「宇宙戦艦ヤマト」放映開始
- カシオ計算機のデジタル時計「カシオトロン」発売
- 「超合金 マジンガーZ」発売