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イベントレポート

電子工作の強いパートナー、スイッチサイエンスに行ってきた

続いてお邪魔したのは「製造室」と呼ばれるスペース。ここでは自社ブランドの基板を製造したり、試作品の開発をしている。

この日はリフローはんだ付け体験ワークショップが開かれていた。あらかじめ渡された図にしたがって部品を基板にセットし、ホットプレートではんだを溶かして基板を作るのだが、一つ一つの部品が非常に小さく、ピンセットを駆使して慎重に作業する参加者の顔は真剣そのもの。 

トレイの中の部品を基板に設置する。 トレイの中の部品を基板に設置する。
うまく動作しない基板のチェックをする講師役の社員さんは「製造室の主です」と紹介されていた。 うまく動作しない基板のチェックをする講師役の社員さんは「製造室の主です」と紹介されていた。

もちろん、通常は手作業で行っているわけではなく、チップマウンターを使って製造している。
ロット数がさほど多くない基板については自社生産し、ユーザーの細かいニーズに対応している。

チップマウンター チップマウンター

リフローオーブンは国産のオーブントースターを改造

自社生産の基板のはんだ付けにはオーブントースターを改造したものを使っている。

意外にも思えるチョイスだが、当初は海外製のリフローオーブン(はんだ付け用のオーブン)を使用していた。しかし、実際に使ってみると温度が安定せず、満足できる品質の仕上がりがなかなかできなかったそう。そこで日本製のオーブントースターを改造し温度と時間を制御できるようにして使ってみたところ、安定性抜群で、むしろリフローオーブンよりも使い勝手がいいということで晴れて採用になったのだとか。
このオーブントースター改造の様子はスイッチサイエンスのブログでも公開されている。

こちらがオーブントースターのコントローラ。Arduinoベースのマイコンボードでプログラムが書かれ、各はんだメーカーが推奨する温度と時間通りに動作できるように設定されている。

どこの家庭にもありそうなオーブントースターだが、温度の安定性は専用機を上回るという。 どこの家庭にもありそうなオーブントースターだが、温度の安定性は専用機を上回るという。
スイッチサイエンス社内で生産した基板。 スイッチサイエンス社内で生産した基板。

もともとArduinoを個人輸入する際に、1つだけ買うのは送料がもったいないので少し多めに買って欲しい人に分けよう、というところから立ち上がり、Arduinoの多言語化にも大きく寄与してきただけあって、社員の方も電子工作が好きでそれぞれに深い知識と愛情を持って仕事をされていると感じた。

海外のMaker Faireにも「Rapiro」など日本製のプロダクトを出展し、今回のオープンハウスも含め、さまざまなイベントを積極的に開催するなど、ECサイトの枠を超えて電子工作の楽しみ方を提案し続けるスイッチサイエンスの本質が伝わってくるイベントだった。

オープンハウスは今後も半年に1回ペースで続けていきたいとのことなので、気になった方はぜひスイッチサイエンスのブログや公式twitterアカウント、facebookページをチェックしてほしい。 

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