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イベントレポート

リカちゃんにもオープンイノベーションを——タカラトミーの本気がこめられたハッカソン

玩具メーカー国内最大手の一社タカラトミーは2016年1月10日、30日、31日の3日間、「おもちゃハッカソン」を開催した。プラレールやリカちゃんといった「タカラトミー定番商品の次世代化」や、IoT、ウェアラブルデバイスなどを取り込んだ「新しい定番商品」を募集するもので、採用されれば1年後を目標に製品化を目指す。ハッカソンには定員の倍以上の応募が集まり、限られた時間の中で意見をぶつけ合いながら製品化を目指す主催者側と参加者のやりとりも数多く見られた。果たして、どのような作品が選ばれたのか。3日間の様子を取材した。

ゴールは製品化。知財、コスト、安全性をクリアしなければ実現できない

ハッカソンの企画/運営を手掛けるJellyWareの崔熙元氏の司会の元、「おもちゃハッカソン」初日はアイデアソン形式の予選からスタート。抽選で選ばれた100名の参加者がそれぞれアイデアを発表した後、参加者同士で投票しあう。最終的には人気のあったアイデアを中心に16組のチームを組んだ。

その後、アイデアをよりブラッシュアップして、次世代のおもちゃのアイデアをタカラトミーの企画担当者にプレゼンテーションした。 

参加者同士で優れたアイデアに投票しあう。 参加者同士で優れたアイデアに投票しあう。

「そのアイデアは既にアメリカで特許が取られています」「(接着剤を使ったおもちゃのアイデアに対して)接着剤は子どもだけで使うには危ない」

印象的だったのはアイデアソンの前半から、現場目線の厳しいコメントが矢継ぎ早に飛んだことだ。特許面や既に製品化されているといった指摘以外にも、安全性やコスト面、技術面など都度タカラトミー側から参加者に細かい指摘があった。

今回のおもちゃハッカソンはタカラトミーが製品化するという明確なゴールがあるため、実現性に問題がある要素はその場で軌道修正することが求められる。目的が明確だからこそ、ゴールに向けた情報は惜しみなく出す姿勢が感じられた。事実、既にタカラトミーが着手している製品に関するアイデアが出た場合は、その旨をストレートに伝えるなど開発中の情報も隠さずに伝えた上で、参加者と製品のアイデアについてディスカッションする場面も見られた。 

もはや子どもだけのものではない「おもちゃの世界」

今回のハッカソンを企画したのは、タカラトミーで製品の企画/開発に携わる部門。同社では毎年平均して600点の企画が提案されるが、製品化されるのはごくわずか。昨今ではスマートフォンの普及やSNSの発達など子どもを取り巻く環境も大きく変化する一方で、ラテアートメーカーやコミュニケーションロボットといった20代以上をターゲットにした玩具も登場するなど市場も多様化している。今回も既存の発想にとらわれない形で時代の流れにフィットした製品を生み出したいという思いから、同社では初めてとなるハッカソンの開催となった。

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