中国Maker Faire Shenzhen 2016現地レポート
「海上世界」を席巻した創客(Maker)たちの熱気——中国的創造空間は今年も健在 Maker Faire Shenzhen 2016
定番商品も人気。その他大型作品も
ロボットと並んで話題の装置といえばドローン。ちなみにロボットは中国語で「機器人(ジーチーレン)」、ドローンは「無人機(ウーレンチー)」と書く。ほとんどは地元あるいは台湾や香港系の会社の商品だが、見ていると比較的素人でも操縦しやすそうなものが多かった。本格的なものというよりはトイ系か。ドローンを集めたコーナーでは、操縦コンテストや体験教室も行われたり、と今年も盛況。注目を集めていた。
3Dプリンタに関しては、一時の勢いは影をひそめた感じ。数も少なかったが、これはと思うような、目を引く商品は見かけなかった。普及が一段落したのは、世界的な傾向か。
光もののブースは、地下鉄の駅から続く地下街に集合。メイン会場の下になるが涼を求めてやってきた観客で意外に盛況だった。暑さや台風といった気象条件を考えると、屋外展示はもはや限界ではないかとも思うが……。
世界的な流れか。人気のSTEM教育教材
教材としてのマイコン基板やブロックは、ここでもSTEM教育の中心として位置付けられているようだ。観客にファミリー層が特に多い中国では、子どもが使うあるいは学ぶことを前提に、企業が商品を展示しているところケースが多い。完成度に差はあるが、いずれも見せ方、使わせ方に工夫がある。未来のMakerがこんな教材群の中から生まれれば楽しい。
日曜日(10月23日)も午後に入ると、人が多くなり、ブースを回りにくくなってきた。夜市の伝統があるお国柄だけに、たいていの場合、午後も夕方に近い方が人出は多くなるのだそうだ。夕涼みといったところか。日本では出展者と観客が混然としている感じだが、ここでは日本ほどの一体感はない。作る側と見る側の2つに分かれているように感じられる。企業展示が多いせいかもしれない。一口にMaker Faireといってもお国柄が出た方が、多様性につながって楽しいのではないか。暮れなずむ会場で人ごみをかきわけながら、将来の中国式Make文化を夢想した。