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GUGEN2016レポート

大賞は身体ハック——未来の普通を生みだすハードウェア・コンテスト「GUGEN2016」

ピーバンドットコムが主催するハードウエアコンテスト「GUGEN2016」の出展作品展示会と表彰式が、12月17日に秋葉原のコンベンションホールで開催された。 今年は152作品のエントリーがあり、その中から1次審査を通過した64作品が秋葉原コンベンションホールでの展示会に集まった。

「GUGEN」は実用性や商品性の高いアイデアを表彰するコンテストで、前身の「電子工作コンテスト」を含めると今年で8年目を迎える。過去にはウィンクルexiiino new folk studioなどのハードウェア・スタートアップを輩出。また近年では、企業エンジニアやクリエイターによる社内スタートアップや課外活動からのエントリーもあり、エントリーする層の多様さも年々際立っている。

大賞は身体ハッキングによるリハビリ支援・製品開発支援システム「bioSync」

今年の大賞に選ばれたのは西田惇さんによる「bioSync: 身体接続技術に基づく新しいインタラクション」だ。

電極システムとBluetoothモジュール、プロセッサがセットになったデバイスを腕に装着し、自分の手の動きをイヤフォンジャックで接続した他者に同期できる他、任意の動きを再現できるシステムだ。

この仕組みを活用する事でリハビリ時の身体の動かし方やタイミングなどを言葉ではなく、動きで理学療法士が患者に伝えることが可能になる。また、パーキンソン病など手の震えが起きる疾患を再現することで、患者にとって使いやすい生活用品や器具の開発にも活用できる。

GUGEN2016大賞を受賞した西田惇さん 日本情報処理学会やIEEE(米国電気電子学会)など、いくつかの学会でも研究結果が評価され、大学病院での実証実験も進めるなど、社会的な評価と実現可能性の高さが審査員に評価され、満場一致での大賞となった。 GUGEN2016大賞を受賞した西田惇さん
日本情報処理学会やIEEE(米国電気電子学会)など、いくつかの学会でも研究結果が評価され、大学病院での実証実験も進めるなど、社会的な評価と実現可能性の高さが審査員に評価され、満場一致での大賞となった。

失読症の父が開発のきっかけとなった眼鏡デバイス「OTON GLASS」

優秀賞は2作品が受賞。そのうちの一つ「OTON GLASS」は眼鏡型のデバイスで、眼鏡本体のカメラで文字を含んだ画像データを撮影し、Google Cloud Platform上にある文字認識技術を使い、音声で読み上げるデバイス。GUGENでは開発途中のプロトタイプによるデモンストレーションが披露された。

失語症患者だけでなく、外国人観光客の利用も視野に入れ、現在は2019年頃の製品化を目指し、ボランティアメンバーも含め約20名で開発を進めている。

料理中のレシピサイト閲覧もスムーズに「スワイプエプロン」

レシピサイトを見ながら料理中に手が汚れてしまい、タブレットやスマホが触れないといった不便を感じた事は無いだろうか。優秀賞を受賞した「スワイプエプロン」はそういった身近にある小さな不便を解消する作品だ。

ピンクと白のしま模様部分に導電性素材を採用し、布の上を上下になでると、手の動きに合わせてBlueToothで接続したタブレットやスマホが上下にスクロールする。エプロン自体は洗濯でき、1着あたり1500円以下で制作できるという。身近な課題をシンプルな解決手法で提示し、実現性も高いことが評価された。

福祉器具のプロが開発した健常者向け車いす「Exo-Wheel」

GoodIdea賞を受賞した「Exo-Wheel(エグゾホイール)」は福祉器具メーカーに勤める有志によって開発された車椅子だ。

通常の車いすの座高と立った状態と同じ高さの座高に切り替えができ、操作もステッィクレバー、筋電センサによる指さし操作、スキーのように体を左右に体重移動させる事で操縦する三つのモードがある。これにより、車いすを必要とする障害者だけでなく、健常者もパーソナル・モビリティやアミューズメント用のモビリティとして利用することを目指している。

車いすの利用者が障害者に限られている結果、車いす利用者にとって不便な街中の要素に気付く人が少ないと考え、健常者も使える車いす型のモビリティを開発する事で、利用者を拡充しバリアフリーに対する意識を変えることが開発の狙いだ。

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