中国Maker Faire Shenzhen 2016現地レポート
「海上世界」を席巻した創客(Maker)たちの熱気——中国的創造空間は今年も健在 Maker Faire Shenzhen 2016
中国式発想から生まれたユニークな作品群
便器のことを中国語で「馬桶」(中国語読みだと「マートン」)と書く。その昔本当に馬用の桶が便器としても使われたのかは定かではないが、形はそのもの。「智能馬桶」と書かれた作品は、用のたびに便器の蓋が開閉されるというコンセプト。マイコン基板が使われ、歯車とリンクの動きを制御する。素朴ながら、思わず見てしまう作品。子どもが寄ってきて興味深そうに見ていた。
紙の発明は中国だが、伝統は今も続く。世界の工場を自認する中国に輸送用の段ボールは欠かせない。そんな段ボールの素材感を生かした作品群を展示するブースを見つけた。簡単なものから複雑なものまで、組み立てキットとして販売していた。
これも子どもに受けていた、目玉をモチーフにした作品。マイコン基板によって動きを制御している。ユーモラスだが、一斉にこちらに向ける視線は不気味。チャイニーズホラーを感じさせる。まさしくアイコンとして観客の目を引きつけていた。
こちらは指に変わってスイッチを押してくれる装置。わざわざスマホで操作する。余計な一手間をかけるところが中国風か? ばかばかしい遊び心が楽しくもある。
今年は、有人ロケットや宇宙ステーションのキットも登場。宇宙開発を国是に掲げる中国ならでは、の作品といえそうだ。今後、工作としても増えてくる分野かもしれない。
やっぱり今年もありました。○○を気にしない作品
面白いキャラクターを見れば、使わずにいられないのも国民性か? 意図的に版権を侵害するような露骨な作品はなかったが、今年もいくつかのブースで見ることができた。中でも目を引いたのは、3Dプリンタを応用した▲▲えもん風の焼き菓子プリンタ。ノズルの先から噴出される溶いた小麦粉で輪郭線を書く。もちろん、幼児の一番人気。
続いては話題の映画にも登場したあのロボット。個人ブースで他の電子工作の作品とともに展示されていたが、やっぱりNG!? 負けじと日本の首相もコスプレしたあのキャラクターの電子工作ものも。