GUGEN2016レポート
大賞は身体ハック——未来の普通を生みだすハードウェア・コンテスト「GUGEN2016」
中学生や地方の社会人サークルまで、さまざまな作品が出展
会場では惜しくも受賞には届かなかったものの、ユニークな作品が多数集まった。
中学生2人組によるY-modifyが作ったのはintel Edisonを組み込んだ人型ロボット。誰でも簡単に作れるヒューマノイドキットの制作をコンセプトにした自作ロボットを展示していた。DIYのロボットではあるが、会話機能も実装するなど大人顔負けの出来。
卓上のロール紙に描いた絵を手押し歯車で巻くと、フォトリフレクタセンサーが黒い部分に反応して音がなる「Band Graphone」。浜松市に住むエンジニアやデザイナーら6人が開発した楽器で絵を描いて手で回すというアナログ要素とセンサで読み取って演奏するというデジタル要素が融合したユニークな楽器だ。
こちらも電子楽器。8色の積み木を本体に置くと音が鳴る子供向けシンセサイザー「Loop」だ。デジタルハリウッドで知り合ったクリエイター5人が開発した。シンプルなインターフェースで、子どもでも楽しめるような工夫が随所にちりばめられている。
Maker Faire Tokyoなど展示でのフィードバックを経て改良を重ね、GUGENに初めてエントリーしたとのことで、ハードウェア開発は難しい部分も多いが、週末に集まって楽しみながら開発しているという。
ハードウェア開発だけでなく、プロモーションまで気を配るチームも。旅先で撮った写真をtwitterやinstagramに投稿すると、レシート用のロール紙から写真がプリントアウトされ、一味違った旅行のアルバム作りができるプリンタ「TRAVELLIUM」。ブースでは本格的なプロモーションムービーやアルバムの見本も展示されていた。
聞けばグラフィックデザインやPV撮影、テーマソングまでチームで制作したとか。ハードウェアの開発だけでなくプロモーションも意識した体制は、PVが決め手となるクラウドファンディング時代以降のチーム作りだと感じた。
エコシステムは2017年も加速するか
表彰式の最後にはGUGENを主催するピーバンドットコムの田坂代表取締役が、ハードウェア分野のクラウドソーシングサービスに進出する事を発表。
また、スポンサーセッションの中でもDMM.make AKIBAがアクセラレーション・プログラムを開始する事を発表した。
日本でもハードウェア・スタートアップの支援が年々充実していく中で、GUGENはスタートアップ候補のMakerたちが次のステップに進む場として、さらに発展していくことが望まれる。