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知恵と工夫の玉手箱! 奥深きパッケージの世界——「現代日本のパッケージ2019」(江戸川橋)

パッケージに関わる3つの大規模コンクールの受賞作品を展示し、現代のパッケージデザインや機能の進化を紹介する展示会「現代日本のパッケージ2019」が2019年12月8日まで印刷博物館で開かれている。

パッケージは人の心を動かし、生活スタイルまでも変えていく

さまざまなジャンルと評価基準で選ばれたパッケージが展示されている。 さまざまなジャンルと評価基準で選ばれたパッケージが展示されている。

パッケージのデザインと聞くと、パッケージに印刷されるデザインを思い浮かぶのではないだろうか。だがパッケージは構造、素材、塗装、などさまざまな視点から工夫改良が行われ、使いやすさ、内容物の保護、購買意欲を引き立てる効果を生み出している。本展では、第58回ジャパンパッケージングコンペティション(日本印刷産業連合会)、日本パッケージデザイン大賞2019(日本パッケージデザイン協会)、2019日本パッケージングコンテスト(日本包装技術協会)の3つのコンテストから受賞作品を展示し、現在のパッケージの機能や進化を紹介している。本記事では展示の中から構造や技術が際立つパッケージをいくつか紹介したいと思う。

「アタックZERO ワンハンドタイプ」:新しい洗濯習慣を提案するために、片手で操作できるワンハンドタイプの容器を開発した。もはやパッケージというより製品開発だ。 「アタックZERO ワンハンドタイプ」:新しい洗濯習慣を提案するために、片手で操作できるワンハンドタイプの容器を開発した。もはやパッケージというより製品開発だ。
「上善如水 純米吟醸 ペットボトル 300ml」:酸素バリア性と遮光性に優れた素材の採用で、長期間の品質保持を可能とした新たな日本酒容器。ビン、カン持ち込み禁止のイベント会場にも持ち込めるようになるなど、従来の使用範囲を拡大する可能性を秘めている。 「上善如水 純米吟醸 ペットボトル 300ml」:酸素バリア性と遮光性に優れた素材の採用で、長期間の品質保持を可能とした新たな日本酒容器。ビン、カン持ち込み禁止のイベント会場にも持ち込めるようになるなど、従来の使用範囲を拡大する可能性を秘めている。
「aibo Package」:生命感あふれる「aibo」を優しく包み込むコクーン。眠っているaiboを目覚めさせるという最初の出会いをパッケージで演出している。 「aibo Package」:生命感あふれる「aibo」を優しく包み込むコクーン。眠っているaiboを目覚めさせるという最初の出会いをパッケージで演出している。
「封キャップ−W22」:医療用ガスボンベのねじ式バルブ用キャップ(白いパーツ)。医薬品医療機器等法規定の「医薬品としての封機能」を遵守しており、タブ部を両手で摘んで左右に引き裂くことでわずかな力で開封できる。 「封キャップ−W22」:医療用ガスボンベのねじ式バルブ用キャップ(白いパーツ)。医薬品医療機器等法規定の「医薬品としての封機能」を遵守しており、タブ部を両手で摘んで左右に引き裂くことでわずかな力で開封できる。
「ロードバイク等自転車の持ち運び用ボックスSBCON」:サイクリストが自転車を空輸する際、袋などに収納して預けていたため、破損のリスクがあった。本ボックスはプラスチック段ボールを使用し軽量で強固になっており、ボックスの上面と下面にはテーパーが付いていて航空機の貨物室を配慮した形状になっている。 「ロードバイク等自転車の持ち運び用ボックスSBCON」:サイクリストが自転車を空輸する際、袋などに収納して預けていたため、破損のリスクがあった。本ボックスはプラスチック段ボールを使用し軽量で強固になっており、ボックスの上面と下面にはテーパーが付いていて航空機の貨物室を配慮した形状になっている。
「プライムレイヤー(メタリック)/アンファースカルプDシャンプー」:高級感にあふれ、高いアイキャッチ性を持ちながらも、製造コストを安価にするために、塗装レスの多層ダイレクトブロー方式だけで“金属調のプラスチックボトル容器”を生産できる成形技術を開発し本ボトルを実現した。 「プライムレイヤー(メタリック)/アンファースカルプDシャンプー」:高級感にあふれ、高いアイキャッチ性を持ちながらも、製造コストを安価にするために、塗装レスの多層ダイレクトブロー方式だけで“金属調のプラスチックボトル容器”を生産できる成形技術を開発し本ボトルを実現した。

パッケージは商品を包み保護するもので商品の付随的イメージが強い。だが本展を見ているとパッケージ自体を工夫することで、生活スタイルを変えたり、商品自体の市場を広げたりすることができる重要なツールであることに改めて気付かされる。その他にも購買時や使用時に人の心を掴む工夫がちりばめられていて、それらを技術的にもコスト的にも実現させる開発者の取り組みはとても興味深かった。ぜひ足を運んでみてほしい。

「現代日本のパッケージ2019」
会期:2019年9月28日(土)~2019年12月8日(日) 10:00~18:00(入場は17:30まで)
会場:印刷博物館 P&Pギャラリー(東京都文京区水道1-3-3 トッパン小石川ビル)
入場料:無料
休館日:毎週月曜(11月4日は開館)、10月15日(火)、11月5日(火)
オフィシャルサイト:
https://www.printing-museum.org/exhibition/pp/190928/
共催:凸版印刷 印刷博物館、日本印刷産業連合会、日本パッケージデザイン協会、日本包装技術協会

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