特別寄稿連載:Fabbleの使い方
Fabble Fabプロジェクトのためのドキュメンテーションサービス
オープンソースハードウェアの文法
Fabbleでやりとりされる、オープンソースハードウェアを作るための手順書=レシピの記述や、レシピについてのやりとりはどうすれば効果的なものになるでしょうか?
複数人でのソフトウェア開発フローの中心としてよく使われるGitHubは、ソースコードのバージョン管理システムをホストするWebサービスです。オープンソースソフトウェアに関するコミュニケーションやプログラムのノウハウのうち、 自動化できる部分はGitHubをはじめとする開発環境に組み込まれ、できない部分は作法としてまとめられて、やりとりが徐々に洗練されてきました。
私たちは、ソフトウェアのプログラムは機械が実行するものであるのに対し、自然言語で書かれたFabbleにおけるレシピは、人間が解釈し、実行するプログラムであると捉えています。Fabbleでは、レシピが冗長になるのを防ぐため、個々のステップでのテキスト量が制限されています。 これにより書き手の技量に関係なく、小さなステップに分けて書くことになり、重要な情報と修飾的な情報を分離しやすくなっています。さらに人のプロジェクトのレシピをコピーして自分のレシピとして編集できるFork(分岐)機能があるので、よいレシピについては、積極的に再利用されていくでしょう。このように、レシピを書く環境や作法を構築することで読みやすく、人にとって「使いやすい」文法をもったレシピが書きやすくなっています。
レシピとメモ
Fabbleの特徴である、レシピとメモ。なぜ2つの形式があるのでしょうか? プロジェクトのドキュメンテーションに関わる問題と、Fabbleがそれにどのように答えているのかを順に見ていきましょう。