fabなび
ナノラボ(東京 秋葉原)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は東京秋葉原にある「創造空間ナノラボ」(以下ナノラボ)。秋葉原駅と御茶ノ水駅から徒歩圏内という好立地にあるものづくりスペースだ。
オープンは2011年1月。2015年2月に、電子部品ショップが集まる神田明神下の現在のビルに移転した。運営するのは医療系ソフトウェアの開発を手がけるインフォコア。ナノラボは、そのインフォコアの一事業となっている。
4階の作業スペースには、ドリンクバーが用意されていて、利用者は自由に飲むことができる。また、食べ物の持ち込みもOKと自由な雰囲気だ。
「特長は気軽に入れるというところでしょうか。ドリンクバーもありますし、立地的にも秋葉原駅と御茶ノ水駅のどちらからも等距離で交通の便がいい。パーツショップが近隣に多いので、何か足りないものがあったら買い出しにも行きやすい。そういう意味で非常によい場所だと思っています」(代表取締役の杉山光裕さん)
この気軽さからか、現在ナノラボの会員は300人近くいる。インターネットを見てやってくる人に加え、パーツショップや自作PCショップなどに作業ができるスペースとして紹介され、それを見た人も訪れるそうだ。
立地条件がいいということと、平日の昼間も利用できるということから、利用客の層は幅広い。ナノラボは20:30までオープンしているため、仕事帰りの方が来店することも多いということだ。
「学生や一般のサラリーマンはもちろん、意外と女性にも多く利用していただいています。女性はものづくりへのモチベーションが高い方が多く、3Dプリンタでアクセサリを作っている方もいます。十人十色、いろいろな方がいろいろな理由でやってくるという感じですかね」(テクニカルアドバイザーの山口勇二さん)
半田ごてやテスター、ヒートガン、ドライバー、ペンチ、ニッパー等々の電子工作用の工具は無料で利用できる。
オープン当初は、電子工作ができるスペースというイメージだったが、ファブ系の施設が注目されるようになってからは、デジタル工作機や工具も徐々に増やしていった。現在は3Dプリンタを使いたいというお客さんが増えているという。
「人気があるのは3Dプリンタとボール盤でしょうか。3Dプリンタの使用方法を講習する所は少ないですし、ボール盤は使えるところがあまりないというのが人気の理由でしょう。」(山口さん)
3Dプリンタ(Solidoodle)については、まずナノラボ会員(無料)になって基礎講習を受ける必要がある。基礎講習を受ければ、あとは設備使用料のみで自由に利用可能だ。もちろん、わからないことがあれば常駐しているスタッフに尋ねれば教えてくれる。
「非会員でも利用できますが、スペース利用料が若干高く、施設や設備の利用予約は行えないので3Dプリンタを使用しない場合でも会員登録をおすすめしています」(山口さん)
最近は、親子連れで訪れる方も多いという。
「親御さんは、お子さんを塾に通わせたり、スポーツや音楽を習わせたりということはしますが、工作や科学を体験したり学べるところはあまりありません。我々はそういった環境を提供できると思っています。“ものづくり塾”といった感じになればいいですね」(杉山さん)
ナノラボには、無料のナノラボ会員のほか、有料のNLTC(ナノラボトレーニングセンター)会員がある。年会費がかかるものの、通常会員よりも利用料が安くなるほか、3階にあるナノラボトレーニングセンターでの設備利用が可能になる。また、エキスパート養成講座として、専門的な講座を受講できる。より専門的な技術や知識を身に付けたい場合は、NLTC会員になるといいだろう。
「現在ナノラボでは、初心者でも参加できる工作教室を定期的に開催しています。
また、『楽しみながら学ぶ』をコンセプトにものづくりや情報工学といったエンジニアリングの知識を楽しみながら、より身近に感じてもらうためのキッズ・ジュニアスクールも開催しています」(山口さん)
仕事帰りに立ち寄ったり、休日にお子さん連れで工作するという用途にも適している。カップルで訪れ、パソコンを自作していくという方もいるとのこと。立地条件がよいだけに、利用者の幅が広いのも特長のひとつ。ものづくりスペースを探している人は、一度訪れてみてはいかがだろうか?
概要
所在地 | 東京都千代田区外神田1-6-3 熊谷ビル4F |
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営業時間 |
平日: 11:00〜20:30 |
ウェブサイト | http://nanolab.jp/ |
料金 |
非会員 ※学生は3時間で同一料金 |
備考 |
ナノラボ会員は入会金無料。NLTC会員は入会金1万800円、年会費1080円。その他3Dプリンタなどの一部機器の講習費用、利用料は別料金となっている。 |