fabなび
Little Machine Studio(東京 神田)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は東京都千代田区にある「Little Machine Studio」。JR神田駅より徒歩5分ほどの距離にあるシェア型複合施設「the C」の、地下1階多目的レンタルスペース「C-Lounge」内にある。
the Cは地下1階地上9階で、築53年のオフィスビルをリノベーションした施設。2階がシェアオフィス、3階から9階はシェアハウスとなっていて、共同生活をする住民たちがいる。その施設の一部として、地下1階にレンタルスペースC-Loungeをオープンした。運営は株式会社リビタが行っている。
「リビタではこれまで15棟のシェアハウスを企画運営してまいりました。シェアハウスではキッチンを中心とした共用ラウンジにて住人の方々の間でさまざまなコミュニケーションが生まれるのですが、その様な場を街の中に置いてみたらどうなるだろうというのが、このようなレンタルスペースを発想したきっかけです。 C-Loungeは、ここに住む人や働く人と街との接点となるような位置付けで考えています」(株式会社リビタ 浅川大輔さん)
普段は時間貸しの会議室として利用されたり、週末などは貸し切りでパーティやイベントなどが行われているC-Lounge。キッチンやDJブースなどもあり、幅広い用途に対応しているのが特徴だ。
Little Machine Studioは、そのC-LoungeのStudio 1を利用している。いわゆるファブ施設とは違い、レンタル会議室の中にファブ機材が置いてあるという感じだ。
Little Machine Studioを運営する株式会社wipの神田沙織さんはこう語る。
「ファブ機材を使って何かを作りたい人というよりは、普段ものづくりに関わっていない人に、3Dプリンタなどのファブ機材を身近に感じてもらいたい。そのためのスタジオという位置付けです。感覚としては、ライブラリ付きの会議室のような感じ。会議の途中で本棚があったら、あの本にこういうことが書いてあったよね、といって手にすることがあると思うんです。そんな感じで、普段ファブ機材なんて使ったことがない人でも、目の前に3Dプリンタなんかがあったら、自分たちでなにか作ってみようと思うかもしれない。そんなふうに、Little Machine Studioがものづくりに興味をもってもらうきっかけになればと思っています」
現在は、神田さんの個人的な知り合いが集まって実験をしたり、金曜日には「Fabフライデーナイト」と銘打ち、ファブ未経験の人なども参加するオープンイベントを開催。毎回使用する機材を決めて、参加者が自由に交流したり作品を出力したりしている。Fabフライデーナイトは1,500円で参加できる。
他のファブ施設のように、機材を使用するための料金は設定されていない。
「理想はイベントのプラスアルファとしてファブが利用されることです。最近は、フードケータリングで楽しく演出されたイベントをよく目にします。それと同じように、ファブケータリングをイベント内でやってみるとおもしろいのではと。たとえば、イベント中にノベルティグッズを作成して、エンディングで参加者にプレゼントするとか。そういう風に使ってもらえたらうれしいなと思います」(神田さん)
通常のファブ施設は、お金を払ってファブ機材を借りるというところが多い。その中で、Little Machine Studioは今までにない新しいファブスペースとして、こういう施設があってもいいのではという思いから生まれている。
ファブ機材をオペレーションする専任スタッフがいないため、純粋に機材を使いたいという人のための料金プランは存在しない。しかし、どのようなことがしたいのかを相談して、Little Machine Studioとの共同作業という形で何かを作り上げることは可能だ。
神田さんは、このスペースからカルチャーを作っていきたいという。
「ファブ自体は、まだトレンドだったり最先端技術に近いところに位置しています。それが、いずれカルチャーとなってもっと身近になっていくプロセスを、このスタジオから作り出していきたいですね」(神田さん)
実現できれば、音楽フェスや夏祭り、海の家などにファブ施設を出店したいとのこと。ファブをもっと身近にするためのスペースが、Little Machine Studioなのだ。
概要
所在地 |
東京都千代田区内神田1-15-10 |
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営業時間 |
11:00~20:00(基本プラン 平日) |
Webサイト | http://w-i-p.jp/lms/ |
C-lounge料金 |
Studio 1 1時間2,000円 ※ファブ利用については要相談 |