fabなび
FabLab Saga/ファブラボ佐賀(佐賀)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は佐賀県佐賀市にある「ファブラボ佐賀」。
東京でMakersムーブメントに触れ、故郷にファブラボを作るべくUターンしたエンジニアが立ち上げたファブ施設だ。
JR佐賀駅からバスで5分、佐賀市の中心地である呉服元町の商店街の中にファブラボ佐賀はある。オーナーは東京でシステムエンジニアをしていた陣内和宏さんだ。
「リーマンショックを機に自分の今後のキャリアについて見つめ直していた頃に、クリス・アンダーソンの『MAKERS』を読み“これだ”と思いました。真っ先にやりたいと思ったのは、OSからハードウェアまで全て自分自身の手で作ったコンピュータ。実際に作れるかどうかはわからないけれど、ファブラボを運営しながら開発していけば生まれ育った故郷にも貢献できるなと思い、佐賀に帰ってファブラボを立ち上げました」(陣内さん)
ファブラボ佐賀がある呉服元町商店街はシャッター街になりつつあったが、最近では若者向けのシェアオフィスや店舗が増え、街の景色が変わってきた。
「もともとこの辺は、小さい頃の遊び場でした。当時は普段から賑やかで、商店街のお祭りの日には今からは想像もつかないほど人が集まっていたのを知っていたので、『なんとかできないか』と思っていました。商店街にかかっていたアーケードが老朽化で撤去され、屋根が無くなってむしろ明るくなったあたりから、街中の様子が変わり始めたんです。名画座系の映画館やシェアオフィスができ、街中に若い人が戻ってきつつあった。どん底から盛り上がる気配を感じ、ここでファブラブを立ち上げようと決めました」
施設内には3Dプリンタ、レーザーカッター、ミシン、ミリングマシンなどファブラボでおなじみの機材は一通りそろっている。一番人気はレーザーカッターだという。
「地元の書道家の方が自分の作品をレーザーカッターで彫刻してiPhoneケースや看板を作ったり、近隣の企業の方が木製の筐体を制作する際にレーザーカッターを使っていただいています。その他、英語の先生がレーザー彫刻で英単語の教材を作ったり、地元の佐賀大学の建築学科の学生さんが建築模型の制作に利用しています」
地元にもファブラボの存在が浸透しつつある中、伝統工芸とデジタルファブリケーションを融合させた取組にも積極的に挑んでいるという。
「地元に佐賀錦と呼ばれる伝統工芸品があります。一般的な織物の大きな織機は機械化できていますが、佐賀錦のような小物を織るための小さな織り機は機械化されていません。地元のSAGA組込みソフト研究会の方たちと相談しながら、タブレットで操作できるような小型の織機を開発中です」
再び活気を取り戻そうとしている商店街の中で、新しい試みにチャレンジしているファブラボ佐賀。陣内さんの取り組みに興味を持った方は、呉服元町商店街を訪ねてほしい。
概要
所在地 | 佐賀県佐賀市呉服元町2-30 |
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営業時間 | 木曜以外の平日、土日:10:00~19:00 |
ウェブサイト | https://www.facebook.com/FabLabSaga |
料金 |
各機材講習:3000円/機材、時間貸:レーザーカッター:200円/5分、 |
備考 | イベント、休業日についてはgoogleカレンダーを参照 |