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fabなび

ロボスクエア内モノづくり工房(福岡市早良区百道浜)

日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は福岡市にある「ロボスクエア モノづくり工房」。
福岡市が設立したロボット体験型集客施設の中に設置された、珍しいタイプのファブ施設だ。

ロボスクエアの施設内。この奥にモノづくり工房はある。 ロボスクエアの施設内。この奥にモノづくり工房はある。
展示物の一部。AIBOなど懐かしいロボットも展示されている。 展示物の一部。AIBOなど懐かしいロボットも展示されている。
モノづくり工房の室内。取材時はワークショップで使用するロボットをスタッフの方が組み立てていた。 モノづくり工房の室内。取材時はワークショップで使用するロボットをスタッフの方が組み立てていた。

「ロボスクエア」は、ロボットに関する科学技術の教育・普及、研究、産業振興支援を目的で作られた施設で、福岡市が2002年にオープンさせた施設。館内にはソニーのAIBOからRobiなど、日本で開発されたありとあらゆるパーソナルロボットが展示されている。その奥のスペースに2015年にできたのが「モノづくり工房」だ。

ロボスクエア内には産業振興施策として、フライス盤や旋盤などの工作機械を安価で利用できる共有工房が運営されている。その共有工房とは別に2015年に新たにオープンした「モノづくり工房」は近年のデジタルファブリケーションの普及にあわせて作られた施設となり、企業だけでなく個人も利用できる。

「福岡には既にいくつかファブ施設がありますが、ロボスクエアは主に子供を対象にした施設ですので、モノづくり工房もデジタルなものづくりの裾野を広げるという教育的な視点がベースにあります。モノづくり工房での個人製作やワークショップをきっかけにして、他のファブ施設にも足を運んでもらいたいと思います」(福岡市役所 西村真樹さん) 

中小企業向けに運営している共有工房。プロ向けの機材が並んでいる。 中小企業向けに運営している共有工房。プロ向けの機材が並んでいる。

「モノづくり工房」は水曜日、金曜日、土曜日のみ利用可能で、事前予約が必要だが、3Dプリンタの材料費も含め全ての機材が無料で利用できる。工房で製作したものは持ち帰りが可能だが、ロボスクエアで展示したりWebサイトに掲載する目的で、製作物の複製をロボスクエアに納める必要がある。

ワークショップ用に3Dプリントされたロボットのパーツ。 ワークショップ用に3Dプリントされたロボットのパーツ。

「近隣のファブラボのユーザーが利用したり、企業の中でものづくりを行っている人がプロトタイプを加工するために、レーザーカッターを使いにくることもあります」(ロボスクエア 小野宏剛さん)

また、ワークショップや複数回にわたる講座も頻繁に企画されている。エレキットの工作やロボット工作といったロボスクエアならではの教室から、レーザーカッターや3Dプリンタの初心者向け教室まで幅広いジャンルのイベントを実施。夏休みや冬休みには、ほぼ毎日何かしらの教室が開催されている。

「モノづくり工房はオープンして間もないですが、今後は利用時間も増やしていきながら、ここでものづくりを楽しむ人が増え、最終的には新しいビジネスが生まれるお手伝いができればと思っています。この施設を運営する福岡市の新産業振興課ではIoT分野でのものづくりの支援や、ハッカソンの企画・運営も行っていますので、そういった他の事業とも連携をとっていきたいと思います」(西村さん) 

概要

所在地

福岡市早良区百道浜2-3-2 TNC放送会館2F

「モノづくり工房」
利用時間

水曜日・金曜日 14:00~17:00
土曜日 16:00~17:00

Webサイト http://robosquare.city.fukuoka.lg.jp/
料金 無料(ただし、製作物の複製を納める必要がある)
備考

利用したい日の10日前までにメールでの予約が必要。
3Dプリンタの材料は持参不要だが、カッティングマシン、レーザーカッターで使用する材料は要持参。

 

機材

3Dプリンタ:「AFINIA H479」 3Dプリンタ:「AFINIA H479」
レーザーカッター:「trotec Speedy100」 レーザーカッター:「trotec Speedy100」
CNCマシン:「Roland DG iModela」(左)、カッティングマシン:「Roland DG iDecora」(右) CNCマシン:「Roland DG iModela」(左)、カッティングマシン:「Roland DG iDecora」(右)

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