fabなび
ファブラボ山口(山口)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は山口県山口市にあるファブラボ山口。 商店街の空き店舗を改装して2015年にオープン。休日には子供から大人まで集まり、小学生や大学生、社会人までが楽しむ市民型ファブ施設だ。
新しい産業と雇用を創出するきっかけにと、山口市が2014年度から始めた「ものづくりの未来人材育成事業」の一環として期間限定のファブラボ山口を立ち上げたのが2015年2月。その後、地元でシステム開発を営むアワセルブスが運営委託を受け、6月にファブラボ山口βとして再出発。同年9月に開かれたYamaguchi Mini Maker Faireにあわせてファブラボ山口として正式オープンした。
「期間限定ファブラボのオープン前に、ファブラボ鎌倉から講師を招いて3DモデリングやArduinoの制御を学ぶ講座を開いたのですが、その時の受講者だった2人が今も運営に携わっています」(スタッフの田吹さん)
ファブラボ太宰府を運営するホームセンター「グッデイ」の協力を得て、商店街の空き店舗を自分たちでリフォーム。内装はアイデアソン形式で決め、作業自体もワークショップ形式で一から作り上げた。現在は運営を委託されたアワセルブスが、オフィス兼工房という形で週3日ペースで開放している。
施設内の機材を利用するための初回講習は有料だが、市の公共事業という事もあり機材の利用は無料だ。そのおかげもあって、学生からシニアまで幅広い層に利用され、小学生のヘビーユーザーもいる。
「近隣の大学の先生が学生さんを連れてきて、それがきっかけで卒業制作や課題制作で機材を使いにくる学生さんも多いです。大学にレーザーカッターがないそうで、とても珍しがってくれていろいろな作品を作っています」(田吹さん)
また、商店街にある店舗とのコラボレーションや、店外での出張ワークショップも積極的に行っている。
「例えばお母さんたちを対象にデジタル刺繍を体験してもらったりして、デジタルファブリケーションについて知ってもらう機会を作っています。ラボに来てもらうだけでなく、私たちから積極的に外に出て行って、デジタルファブリケーションの波が来ていることを伝えるのもファブラボの役割だと思います」(河口さん)
山口市の人口は20万人。河口さんいわく、人口20万人はコミュニティを作りやすい規模で、関係者同士がすぐに顔見知りになれるメリットがあるという。そのメリットを生かして、今後は市内の教育機関や文化施設とも連携を強めていきたいと考えている。
「YCAM(山口情報芸術センター)のような県外から人が集まるような場があることは素晴らしいことで、YCAMで刺激を受けた人が自分も何か作ってみたいとなった時に、ファブ施設が受け皿になれる関係を築きたいですね」(河口さん)
「ここは、来てくれる人あっての場所だと思います。いろんな世代や立場の方が来て、物を作ったり、場所を共有することでさまざまなアイディアが生まれると面白いなと思います」(田吹さん)
概要
所在地 | 山口県山口市米屋町2-4 旧吉田太陽堂薬局 |
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営業時間 |
毎週金曜、日曜。 |
webサイト | http://fablabyamaguchi.com/ |
料金 |
機材講習会:1000円、機材+データ作成講習会:2000円 |