fabなび
【閉鎖】ファブスペースみたか(東京都三鷹市)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は東京都三鷹市にある「ファブスペースみたか」。JR三鷹駅から徒歩7分ほどの「三鷹産業プラザ」の1階にある。
※当施設は閉鎖しています。本記事は取材当時のものです。(fabcross編集部追記 2024年4月1日付)
運営しているまちづくり三鷹は、三鷹市が98%出資している第三セクター。地域産業や商業の活性化などを目的とし、起業支援などを担っている。
元々は同じビルの3階にあるコワーキングスペース「ミタカフェ」を運営。その一角に、ものを作る人たちのコミュニティが生まれたらという想いから、レーザーカッターを導入したのがスタート。
その後、ワークショップ形式の検討会を重ね、2016年6月にビルの1階のスペースにものづくりスペースを移動してリニューアル。先日1周年を迎えたばかりだ。
リニューアル後から会員は右肩上がりに増え、現在(2017年9月末時点)は180人ほど。入会に際しては必ず面接があるという。
「会員の方とは、顔の見えるお付き合いをさせていただきたいと思っており、ヒアリングをさせていただき、どんな風に使いたいのか、どんな用途で使いたいのかをお伺いしています」(マネージャー 吉田巳里子さん)
現在は、現役をリタイアした人や、ものづくりに興味のある主婦、そして個人事業主などの利用が多いということ。なかには、学生起業家が事業で作る機械の部品を試作しに来ることもあるそうだ。
ファブスペースみたかでは、月に1回無料デモ体験会を実施。また、ワークショップも開催しているため、初心者でも気軽に訪れることができる。会員になれば、有料で機器を使用することが可能。基本的には自分で各種機器を操作する必要があるが、予約をすれば技術サポーターが講習をしてくれるので安心だ。
個人の起業支援などを行っている同社だが、このスペースではコミュニティの育成にも力を入れていきたいという。3Dプリンタは3台、電子ミシンが4台あるのも、コミュニティ育成を視野に入れているからだ。
「ひとつのものをみんなで作りたいという想いがあるんです。みんながアイデアを持ち寄って、それぞれが3Dプリンタなどでパーツを作って、何か大きなものを作ることができたらいいですよね。そのために、3Dプリンタを3台置いています」(吉田さん)
デジタルミシンが4台あるのも、みんなで集まって何かを作れたらいいなという想いからのようだ。
一度、会員同士の交流会を開いたことがあるという。会員が自分で作ったものを持ち寄って、プレゼンテーションをしたところ、参加者の熱意に圧倒されたそうだ。
現在は、非会員向けの無料デモ体験会と、講師を招いてのワークショップを月に1、2回程度開催しているが、これからは会員同士がもっとコミュニケーションを図れる企画も増やしていく予定だ。
ファブスペースみたかには、ハンドツールも用意されている。しかし、施設としてはデジタルツールにこだわっていきたいという。これは、三鷹市の「女性の起業支援」という方向性とリンクしている。
「手作りの作品のよさはもちろんあります。しかし、デジタルツールはデータを保存できるため、再現性が高いというメリットがあります。手作りの作品をデジタル化することで、作品自体のクオリティが高まり、商品化につなげたり起業までも目指していきたいと思っています」(吉田さん)
三鷹駅からも近く、機材も充実。開放感のあるきれいなスペースは、女性のものづくりには最適だ。無料デモ体験会やワークショップにも、女性の姿が多いという。
そのほか、シニア層も増えている。会社をリタイアした、技術を持つシニア層がものづくりを通じて自己表現を行うというのも、素晴らしいことだ。
最後に、ファブスペースみたかの展望を伺った。
「起業支援や働き方改革などキーワードはいろいろありますが、シンプルに言えばここがものづくりの人が集ってアイデアを形にするようなスペースになればいいなと思っています」(吉田さん)
10月7日(土)には、リニューアル1周年記念としてファブラボ鎌倉の設立者である慶応大学の田中浩也教授を招いて講演会を実施した。
また、ものづくりをする人ならば誰でも参加できる「第2回みたかFabコンテスト」の作品募集も行っている。前回は63件の応募があったが、今回はそれを上回る応募が予想される。作品募集は11月30日(木)まで行われているので、我こそはという方は応募してみてはいかがだろうか。
概要
所在地 | 東京都三鷹市下連雀3-38-4 三鷹産業プラザ1F |
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営業時間 | 11:00~19:00 |
定休日 | 月曜、火曜、年末年始 |
URL | https://fabmitaka.co/ |
料金 |
料金 機器利用料 |