fabなび
FabLab浦和-Beta(埼玉 浦和)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は埼玉県さいたま市のJR浦和駅から徒歩8分ほどのところにある「FabLab浦和-Beta」。インタラクションデザインが運営を行っている。同施設は、個人のプログラマーや作家、スタートアップ企業の開発支援などをメインに行っているのが特徴だ。
オープンは2016年7月。代表である長谷川実さんは、浦和で生まれ育った浦和っ子。文教都市と呼ばれている浦和で、もっと自由なことが学べる場所を提供したいという思いから、ファブ施設の開設に至った。
小さい頃から機械いじりが好きな少年だった長谷川さんは、大学で機械工学を専攻。そしてメーカーでマーケティングを担当していた。
「目新しいものが好きなんです。世の中にないものをいろんな人に届けたいという思いでマーケティングの仕事をしていました」(長谷川さん)
3年前に脱サラしたあとは、不動産関係の仕事などをしていたが、もう少し自分にしかできないことがやりたいと、ファブ施設の開設に思い至る。ちょうどMakersのブームが起きていたときだ。
運営を手がけるインタラクションデザインは、長谷川さんの個人会社。普段はここで3D CGの製作などの仕事を行っていて、FabLab浦和は事務所兼ファブスペースという感じになっている。
オープン当初は、ほかのファブ施設と同じように、定期的にワークショップなどを開催。若い女性などを中心にそれなりに集客はあったようだ。
しかし、一過性のワークショップではただ楽しい場というだけになってしまう。そう危惧した長谷川さんは、オープン1周年を機に大きく舵を切る。
現在は、スタートアップ企業とのコラボレーションによる開発をメインの活動としている。
「スタートアップをされた方やフリーのプログラマーの方などは、プログラムのことは分かるけれど機械のことは分からない場合が多い。逆に僕は、機械のことは分かるけれどプログラムは苦手。そこで、プログラムが得意な方々とコラボレーションをして、実生活で役立つものを作っていければいいなと思っています」(長谷川さん)
現在は、スタートアップ企業を中心に30社ほどが会員となっているという。継続的にプロジェクトを進めている場合もあり、普段はメールベースで図面などのやりとりを行い、定期的にこちらに集まり、試作品作りなどを行っている。
現在は、土曜日の午前中をオープンラボとして、誰でも立ち寄れるようになっている。その他の曜日は予約をすれば各機材を使用できる。また、各種加工サービスも行っているので、何かアイデアを形にしたいというときに相談窓口となる。
最近では、一般の人から特許取得のためのプロトタイプ作成の相談を受けたり、1日数件、コンスタントに問い合わせがあるという。元々教育熱の高い街だけに、このスペースの存在が徐々に浸透していきているのだろう。
長谷川さんは、「子どもたちが自分らしさを見いだせる場所にしたい」という願望を持っている。
「プログラムを勉強したいという人はたくさんいます。しかし、プログラムは一つの手段と思っています。自分が組んだプログラムで目の前の機械が動いたり、最終的にそれが生活に役立ったりということを子どもたちに実感してもらうことが、僕が一番やりたいことなんです」(長谷川さん)
概要
所在地 |
〒336-0062 埼玉県さいたま市浦和区仲町2-10-15 LAPUTA5ビル 3F |
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営業時間 |
11:00~19:00 |
定休日 | 日曜、月曜 |
URL | http://fablaburawa.com/ |
電話番号 | 048-711-8883 |
料金 |
機材講習:各機器4000円 |