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Makers’ Base連載企画「Makers’ Bar」

エンジニアから職人に栄養士まで——5cmの立方体を自由に作ってみた

小さなキューブの、無限の可能性

5×5×5 Cube Etude当日の11月28日、フタを開けてみれば、見学者を含め30人を超える参加者と、30個の作品が集まりました。アーティスト、職人、エンジニア、デザイナー、栄養士、主婦などなど、様々な職業の人々が作ったキューブ達は、予想をはるかに超える個性の強さでした。

コンテストなので、各自の作品についてのショートプレゼンテーションを全員で聞いた上で、1.ほしい/2.美しい/3.面白いの評価をつけていくのですが、まずプレゼンテーションが「ショート」になりません。作品を制作していて楽しかったこと、この作品をどう楽しんでほしいか、試行錯誤のストーリー。語りたい言葉が止めどなく参加者の口からあふれ出し、話す側も聞く側も、その場にいる全員が目を輝かせながら、プレゼンテーションの時間が流れていきます。 

いざ、自慢の作品プレゼンタイム!

手にした人の心拍とリンクして、LEDが明滅するキューブ。銅線のフレームも含め、全体で1つの立体的な電子回路が構成されています。中の回路部分も立体的な1cm方眼上に配置されていたりと、どこからどこまでとことん「キューブ」。

伝統的な木工の組物技術を使ったキューブ。「四方蟻継(しほうありつぎ)」という継手で、「どう作ってるの? こんなの、木はお互いきれいにかみ合うの?」と全員興味津々。

プレゼンテーションのときから、「欲しい!」という声が続々と上がったのはコンクリートの鉢植えキューブ。「これに好きな植物を植えて、街中の景色に溶け込ませて飾りたい」というストーリーもユニーク。

「頂点で自立するキューブを作りたい!」と考えて地球ゴマをHackして、外枠はカーボンで作ったというこだわりの逸品。立つと分かっていても、コマを回して立った瞬間、笑顔が弾けます。

非常に個性的だった作品の1つ。まさか人形を作ってくる人がいるとは……
髪の毛がとてもリアル。頭のてっぺんにある赤い髪飾りがゼンマイになっていて、巻くと口をモゴモゴと動かします。

「何ができるの……?」と全員が固唾をのんで見守ったデモンストレーション。シャボン玉から5cmのキューブが生まれた瞬間、会場からは大喝采。

他にも美しく光るアクリルのキューブや……

中で鉄球を転がして、迷路で遊べるキューブなどなど。

難しくなんて考えない、楽しそうだからやってみる!

面白いのは、ものづくりを普段している人だけでなく、「楽しそうだから、これを機会に自分のできることを活かしてキューブづくりに挑んでみました!」という参加者も現れたこと。彼女が制作したのは「食べられるキューブ」で、手作りのケーキやミートローフ、さらには立派なサツマイモを蒸かしてから、それぞれ5cm角に切って持参していました。さらには参加したその場で、持ち合わせたおむすびをキューブ型に握りなおす人まで……

会場が熱気に満ち、居合わせた全員が笑い通し、仕舞いには「もう1回やりたい!」という声まで上がった5×5×5 Cube Etude。楽しいイベントとなりましたが、実はそこには、1つの裏テーマが存在していました。

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