Makers’ Base連載企画「Makers’ Bar」
エンジニアから職人に栄養士まで——5cmの立方体を自由に作ってみた
分かち合いたいのは、学びの楽しさ
「お酒を飲みながら、一緒にものを作ったり、体験をシェアできる場がほしい」
この気持ちからはじまったMakers' Barですが、「お酒の楽しさ」以上に、「学びの楽しさ」を分かち合いたいという目標があります。
「1つの課題に大人数がそれぞれ取り組んで、出した答えをシェアし合うことはとても人を成長させるし楽しいけれど、大人になると、そういう機会はほとんどなくなる。お酒を飲んで人と楽しくつながることも大切だけど、学校でやっていたような、そういう時間も欲しい」
Makers’ Bar Vol.1を終え、次回の企画についてVol.1参加者を巻き込んでアイデア出ししているとき、そんな声が上がりました。「ものづくりの宴」であると同時に、「ものづくりの教室」でもありたい。Makers' Barが目指すのは、そんな場づくりであるとも言えます。
多様性から生まれる独創性
今回設定した「5cm角のキューブ」というルールも、実は企画発案者が通っていた専門学校桑沢デザイン研究所で行われている授業からヒントを得て考えたものでした。
同校には、「5cm角のキューブ」のコレクションが400個近く所蔵されています。金属パイプを曲げて作ったメッシュ構造、石や木や金属などの素材を切り出して磨いた無垢の塊、ぷにゅぷにゅのやわらかな樹脂の塊など、これらは多様な構造、構成、素材のアーカイブになっています。キューブという1つのかたちをアウトプットするために考えられうる作り方やデザインの無数の可能性を知り、素材によって異なる仕上がりや質感を体感することができる。そんな触れる立体資料集です。(11月28日当日には、コレクションの一部をお借りして会場に展示させていただきました)
ものづくりに興味を持ち、実践する人が少しずつ増えている中で、それぞれの作り手がより魅力的なものを作ろうとしたとき大切になるであろうことの1つに、「多様性によりたくさん触れること」があります。個性的な作品づくりを目指せば目指すほど、自分以外の人々がどんなものづくりをしているかに好奇心を持ち、触発され、自分の制作に活かしていくことが、作品の魅力を上げるためには大切です。一方で、作る技術や知識、設備を提供する場が増えている中、多様性をインプットする機会はまだ少ないのが現状です。今後Makers' Barが、「ものづくりの私塾」として魅力的な場に成長していくことを期待しています。
5×5×5 Cube Etude Vol.2 開催決定!
次回Makers' Barの開催は1月30日(金)19:30で、現在参加者を受け付け中です。テーマは前回から少しステップアップして、「午前0時のキューブ」。
当日は、このキーワードを自由に解釈して生み出されたキューブが一堂に会します。前回以上にユニークな作品が登場しそうな次回Makers' Bar、今からとても楽しみです。