Raspberry PiでIoTを始めよう企画
紙相撲が無駄にIoTになった!~Raspberry Piで始めるIoTデバイス入門
2回戦 リモート対決
第2試合からは、リモート試合です。
まずは片方のプレーヤーが土俵の前に、もう片方はSkypeでリモート操作するパターン。
単身赴任のお父さんが、自宅にいる子どもと遊んであげるイメージです。家族の絆を育むIoTです。いい時代になりましたね。
単身赴任中のお父さん。
子ども。
参加メンバーの都合で、お父さんと子ども、両方ともおっさんになってしまいました。すみません。お父さんは部品や会場提供でご協力いただいたスイッチサイエンスの牧井さん、子ども役はfabcross編集部、越智さんです。
遠隔地からは、iPadに映したSkypeで土俵の様子を見つつ、スマートフォンで操作します。
リモートということで一人だけ室内から追い出された牧井さん。寂しい気持ちになるかとおもいきや、外はこの晴天。圧倒的な気持ちよさで、ユーザ体験の点では戦う前からすでに勝っています。
それでは、はっけよーい、のこった!
こちらも瞬殺。
気持ちの余裕を反映してか、リモート参加の牧井さんの勝利です!
iPadの向こうでほくそ笑む牧井さん。上から見下ろすカメラアングルが敗者の屈辱感に拍車をかけます。
3回戦 配信ラグとの頭脳戦
そしていよいよ決勝戦。
最後は、両プレーヤーともリモートです。土俵だけを部屋に残してUSTREAMで生中継し、それを見ながら対決します。
もはや無人となった、俺たちの国技館。余談ですがこの上空に蛇の浮いた会場は、末広町3331にあるはんだづけカフェです。
プレーヤー陣は外へ。PLANEX 丸山さんvs.スイッチサイエンス牧井さんの対決です。なお、今回は「先に2勝したほうが優勝」ルールで行います。
しかしここで致命的な問題が発覚。USTREAMって、けっこう配信ラグがあるんです。
ボタンを押したタイミングで確かに土俵は動いているものの、その映像が見られるのは数十秒後。この配信ラグのせいで、土俵があるのは直線距離で数十メートルの室内ですが、まるで遠くの星に着陸した無人探査機でも操作している気分になります。「僕たちがこうして眺めているあの星は、実はもう存在しないかもしれないんだ」的な、唐突に顔を出すスペースロマン。
ゲーム性も急変。土俵上がリアルタイムに見られないため、
「相手の手元操作を盗み見て、土俵上の状況を頭の中でシミュレーション、先の先を読みつつ自分も土俵をたたく」という超高度な頭脳戦に。
その結果、試合展開はこんなことになりました。
試合が終わってからも動き続ける土俵。
誰一人、頭の中で正確なシミュレーションは成しえなかったことが分かります(あたりまえだ)。
さらに、このリモート試合、もうひとつ誤算がありました。
試合が終わるたびに3Fの土俵まで走らされる越智さん。
そう、土俵をたたくのはリモートでできても、倒れた力士を起こすのはリモートじゃなかったのです。
こんなときに限って2ポイント先取のルール。試合展開は、牧井さん先勝→丸山さんが勝って同点→牧井さん勝利、とたっぷり3試合行われ、そのたびに越智さんは汗だくになって戻ってくる羽目になりました。
そんな越智さんの体力を踏み台に、優勝したのはスイッチサイエンス 牧井さん。おめでとうございます!
トーナメント終了、そして教訓
波乱含みのスモウトーナメントでしたが、このトーナメントを通して、IoTデバイス開発をする上での教訓が得られました。
- 室内に設置するデバイスでも、外で操作できるとそれだけでも気持ちがいい
- 通信ラグ対策をしよう
- リモート操作の場合、必要な操作をすべて実装しないと、そのたびに走って操作しに行くことになる
- 力士の型紙を作りなおした後は、ちゃんとテストプレイをやり直さないと全試合が瞬殺になる
最後の一つに関してはもはやIoTとは何の関係もありませんが、紙相撲をIoT化する際にはぜひ気をつけたいポイントです。
というわけで大会レポートはここで終了。
次のページからは、メイキングです。構成から作り方まで、これからIoTを始めてみたい方が参考にできるよう、できるだけ詳細に解説していきますよ。