今さらきけない「ラズパイってなんですか?」
今さらきけない「ラズパイってなんですか?」 第2回 ラズパイってどうしたら使えますか
前回はRaspberry Pi(ラズパイ)の歴史やインターフェースについて解説しました。今回はラズパイを動かす前の準備について解説します。
今さらきけない「ラズパイってなんですか?」
第12回 キャラクターディスプレイモジュールって何ですか
第11回 抵抗? コンデンサー? IC? ラズパイで扱う電子パーツについて教えて!
第10回 ラズパイでLチカって何ですか
第9回 ラズパイでWindowsとやり取りするにはどうしたらいいですか
第8回 「Windowsでラズパイを使う」って何ですか
第7回 ラズパイで使う「コマンド」って何ですか
第6回 ターミナルソフトって何ですか
第5回 GPIOって何ですか? 機能や役割は?
第4回 ラズパイを使う準備って何をしたらいいですか
第3回 Raspberry Pi OSって何ですか
第2回 ラズパイってどうしたら使えますか
第1回 ラズパイってなんですか
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ラズパイを動かすために必要なものは以下の通りです。
- ラズパイ本体
- microSDメモリーカード
- ACアダプター
- HDMIケーブル
- ディスプレイ
- ケース
- キーボードとマウス
では順を追って説明していきましょう。
どのmicroSDメモリーカードを使ったらいいの?
ラズパイで動作するOSの代表例は「Raspberry Pi OS」です。ラズパイにはmicroSDメモリーカードスロットがあり、microSDメモリーカードにRaspberry Pi OSを書き込んで利用します。
microSDメモリーカードは種類がたくさんあり、どれを使ったらよいのか迷ってしまいます。筆者の場合は以下の条件で購入しています。
- 容量は32GB
- クラス10
- UHSスピードクラス1
※クラス10、UHSスピードクラス1は、どちらも保証する書き込み速度が毎秒10MB以上であることを意味します。
ラズパイをmicroSDメモリーカードやACアダプターなどと合わせてキット販売している場合、8GB程度の容量で低書き込み速度のmicroSDメモリーカードが付属していることがあります。確かにそれでも十分に動作するのですが、データなどをため込む場合は大容量のものが必要になりますし、Raspberry Pi OSを書き込むときの速度や、ラズパイに画像を記録しようとした場合などに高速な書き込みができず、不便です。かといって高速なカードは価格も高いので、費用対効果で考えた場合は上記のスペックになるかな、と考えています。この条件であれば1枚700円程度で販売されているようです。
なおmicroSDメモリーカードは容量が32GBまでは「SDHC」、それを超える容量になると「SDXC」という規格になりますが、どちらでもラズパイは動作します。
どのACアダプターを使ったらいいの?
ラズパイはDC5Vで動作するのでACアダプターが必要です。Raspberry Pi 4/400ならUSB Type-CコネクターのあるACアダプターを、それ以外はMicro USBコネクターを持つACアダプターを利用します。
なおACアダプターは5V出力というだけでなく、2~3Aの電流を流せるものを使いましょう。それ以下の電流しか流せないACアダプターだと、ラズパイにさまざまなデバイスを接続したときに電流が不足し、正常に動作しないことがあるためです。
アンペア数はACアダプターに書いてあるので、そこをチェックして購入するようにしましょう。ECサイトで購入する場合でもスペックが書いてあったり、ラベルの拡大画像が掲載されていたりすることもあるので、そこを参考にします。
またACアダプターのケーブル長ですが、一般的には1.2~1.5mのものが販売されています。ラズパイの設置場所との兼ね合いにもよりますが、これまで問題に感じたことはありません。
どのHDMIケーブルを使ったらいいの?
ラズパイにはHDMI(Raspberry Pi 3以前)、miniHDMI(Raspberry Pi Zero系)、microHDMI(Raspberry Pi 4以降)のポートがあり、これを使ってディスプレイと接続して使います。そのときに使うケーブルですが、特に種類は選ばなくて大丈夫です。ただしこれもACアダプターと同じく、ラズパイを設置する場所からディスプレイへの距離を考えて、それに合ったケーブル長のものを選ぶようにしましょう。
どのディスプレイを選べばいいの?
ラズパイで使うディスプレイですが、これも千差万別ですね。自分が作業しやすいディスプレイを選ぶことになります。ラズパイをWindowsマシンのように、メールやブラウザーを利用するなど日常的に使うのであれば大きめのディスプレイが必要となります。しかし筆者の場合はWindowsのターミナルソフトを利用して、リモートでラズパイに接続して使っていますので、実はディスプレイを使っておらず、10型のディスプレイを万一の確認用に用意してある程度です。デスクトップ環境はWindowsで動作する「VNCクライアント」でパソコンから操作し、コマンドを入力しての作業はターミナルソフトの「TeraTerm」を使ってWindowsから使っています。ディスプレイを使わないで作業する方法については回を改めて解説します。
どのケースを選べばいいの?
ラズパイのケースも数多く販売されています。筆者の場合は本体をガードした上でGPIOが使えるようになっているものを選んで使っています。よく使っているのは「Piケース OKdo 3ピース for 4B」です。ラズパイ本体をしっかりと覆ってくれるほか、ふたが取り外せるのでGPIOへの取り回しがよいからです。また、ケースの中にはUSB接続でM.2 SATA SSDを取り付けて使えるものもあります。この場合はUSB接続からRaspberry Pi OSを起動して使います。こちらも回を改めて解説します。
なおRaspberry Pi純正のケースもあるので、それを使うのでもよいでしょう。またRaspberry Pi Zero用の純正ケースには、「Raspberry Pi Camera Module V2」を接続するための短いケーブルが付属しているので、重宝します。
どのキーボードとマウスを使えばいいの?
ラズパイを単体で利用する場合はこの他、キーボードとマウスが必要です。こちらはUSB接続のものであれば、どれでも構いません。筆者の場合、USBのドングルで無線接続できるキーボードとマウスを使っています。これであればUSBポートも1つしか消費しないので便利です。
なおラズパイを動かす場合は絶対にケースに入れましょう。本体の底面ははんだ付けした基板がむき出しになっていますので、ここに何かが導体が接触した場合、基板がショートするなどして本体を壊すことになります。お恥ずかしい話ですが、ケースを使うのは面倒だからと裸で使っていたときがあり、本体を2個ばかり壊しました……。
次回はRaspberry Pi OSについて解説していきます。