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あッ 3Dプリンター屋だ!!東京メイカー×ストーンスープ×ミライス

年齢も職業もバラバラだからこそ、学校にはない学びがある

——お店では、インターンとしてどんな仕事をしているのでしょうか?

渡邉「『3Dプリンタで何か作りたい』というお客さんのサポートや、3Dプリンタの勉強会のチューターをやっています。僕は他のインターン生と違ってものを作りにここに来ているというよりは、3Dプリンタを今まで使ったことのない人たちが何を作るかを知るために来ているんです。中野ブロードウェイという、日本でも1番カオスな場所に3Dプリンタを置いて、何が起きるのかとても興味があります。

3Dプリンタに限らない話なんですが、実は使い方を知っているとアイデアはなくなってくる。普段から使っていると出ないようなアイデアって多いんですよね。ここには年齢も職業もバラバラな人が来るので、そういう人たちの視点を知ることがおもしろい。それはたぶん、大学にいたら経験できないことなんじゃないかと思います」

中村「例えばエンジニア目線で言うと、この商品はこれだけ他よりも優れているから絶対良い商品なので売れるはず。と思ってしまいがちですが本当にそうなのでしょうか? 最終的な商品を使うのはここ(3Dプリンター屋)にいるような生活者ですよね。オープンな場所に3Dプリンタが置いてあって、生活者の人たちが思ったことや欲しいなと思う内容こそが商品のヒントになるのではないでしょうか。自分の作った製品を実際に欲しいと思っている人や使っているという人はどれくらいいるのか? 調べてみたいですよね」

——お客さんに頼まれて作ったもので、面白かったものはありますか? 

渡邉「ブロッコリーを3Dプリントしたいという人がいましたね(笑)。その方の会社のロゴがブロッコリーだったんですけど、それを3Dで作ってみたいと。その場で八百屋にブロッコリーを買いに行ってスキャンしたんですけど、なかなかブロッコリーのつぶつぶ感が出なくて。そこで僕がデータ修正をしてつぶつぶ感を足したということがありました」

中村「そのお客さんは、すごく喜んでくれました。きっとここに来る人も、とにかく完成度が高いものがほしいというよりは、その場の勢いで八百屋に買いに行くとか、渡邊君と対話をしながらブロッコリーっぽくするためにもうちょっとつぶつぶを加えてもらうとか、そういうパーソナルな体験も楽しんでくれているのかなと思っています。3Dプリンタが異なる人を偶然つなげて、新しいものを創発すると感じています」

——定期的に開催されている3Dプリンティングに関する無料勉強会について教えてください。どういうコンセプトで行っているのでしょうか?

中村「参加費無料。みんながフラットで、先生も生徒も関係なしで一緒に勉強しようっていうコンセプトです。勉強会には主婦の方も来るし、大手メーカーに務めるエンジニアの方も来る。そういう立場もスキルもバラバラな人がみんなで教え合って、学習できる環境を作りたいと思って始めました」

渡邉「SFCみたいな雰囲気ですよ。1回の参加人数も最高で6人くらいなので、参加者同士で教え合うことでコミュニケーションも生まれる。誰が理解していないとかもすぐにわかるし、ついていけない人がいたら隣の人がサポートしてあげたりできるのがいいところです」

毛利「勉強会に関してはインターン生にやってもらって、僕たちは完全に放置しているんです(笑)。例えば会社の中だと、若い人がいいアイデアを持っていても実現できないこともあるじゃないですか。それは俺も昔考えてやったがダメだったらみたいに言う上司、時代も違う今なら作れるかもしれないのに。でもここのフラットな場所では、新しいアイデアをどんどん試すことができる。逆に僕らは3Dプリンタを昔から知っていて知識や経験も豊富だけども古い価値観が邪魔になることもあるので、若い人が面白いと思うことを自由にやってもらいたいと思っています。僕らはそれが理解できなくても自由にやってみる、そして皆で考える。否定からは何も生まれませんよね」 

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