あッ 3Dプリンター屋の人だッ!!
ボディランゲージからファブランゲージへ! 中東でワークショップをやってみた
——アウトプットのレベルはどうでしたか?
中村「さっきの話と少し矛盾するように聞こえるかもしれませんが、全体的なレベルは高いですね。発想が日本人以上に自由だし、新しい事をやるモチベーションの高い子たちが集まっているから面白いものが出来上がってましたね」
毛利「全然マニアックな方向に行かないんですよね。面白いか面白くないかの判断基準しかなくて、3Dプリンタとかファブに対する関心も、面白そうだから、新しいからやってみるって感じで、先入観無しに参加しているんですよ」
中村「オイルマネーで経済的にもある程度裕福だし、働かなくてもいいぐらいの子たちが集まっているので、とにかく面白いものだったらOKみたいな発想の自由さが印象的でしたね。鉄道の工事が始まったらしくて、意外にもCAD鉄で盛り上がったのも面白かったですね(笑)」
——ワークショップを振り返ってみていかがでしたか。
中村「日本の文化を紹介しながら、3Dプリンタを使ってものづくりをするっていうプログラムは、ものが介在する分、言葉の壁を越えてコミュニケーションできるし、これは世界中で通用するなっていう手ごたえはありました」
竹下「私は日本からインターネット経由で参加しましたが、終電ギリギリまで中東の学生さんたちと盛り上がりました。あちらの人たちがすごく身近に感じられましたね。遠く離れた人たちと出来上がったものを見せ合うってなかなかできる機会が無いけど、こういう事ができるのが現代なんだなとしみじみ思いました」
毛利「3日目になるとモデリングよりもネットで日本のインターン生たちと会話するのが楽しくなってる学生もいて『こんなの作ったよ!』とか『こんなアイデアどうだろう』とか。日本とアメリカと時差を使って分業でモデリングして早く仕上げるっていうのは大昔もやってましたけど、今ならこんなワークショップもできるのかとすごく面白かったですね」
——国際交流としても意味があったと。
中村「そうですね。3Dプリンタを介して友達になれるというか、アイデアは見ればわかるし、3Dプリントしたものを見ればわかるし、『そのアイデア、バカでいいね』って言い合えるし」
竹下「ボディランゲージじゃなくて、ファブランゲージの時代になった感じがしますよ」
——ファブランゲージ! 新しい言葉が生まれましたね!
中村「次回から使わせてもらいます(笑)」
毛利「今回のワークショップの直前に悲しい事件(ISによる日本人人質拘束事件)もあって、出発前にずいぶん周りから心配もされましたが、行ってみると心配する要素は全く無く、カタールの人は基本的に優しいし、気遣いもできて日本人と気質はあまり変わらない人たちでした。ワークショップで手ごたえも感じたし、改善点も見つかったので、今後は積極的に海外にも行きたいし、ファブランゲージを通じてつながる世界を広げていきたいですね」