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あッ 3Dプリンター屋の人だッ!!

「アイデアが形に!」3Dプリンティング初心者が感じた、プロトタイプ制作の快感

新しいアイデアを生み出すときは、メンバー間のコミュニケーションが大切

左から、三田裕介さん、河越奈沙さん。2人とも東京工業大学に在籍する大学院生。 左から、三田裕介さん、河越奈沙さん。2人とも東京工業大学に在籍する大学院生。

——新しいことを勉強しながら新しいアイデアを考えるので慣れないことばかりだったと思いますが、苦労したことはありましたか?

三田:メンバー構成に社会人と学生が混ざっていたので、予定が合わず集まれる機会があまり作れなかったことですね。ワイパーつきのゴーグルを作る予定だったのですが、自分は内側を掃除するものを作るはずだったのに、いつの間にか外側を掃除するものを作っているという、コミュニケーションロスが生まれてしまいました。メンバーとちゃんと話してものづくりを進めていくことは、より良い成果を生み出すためには大切なことだなと分かりました。 

三田さんのチームの発表。雪山でスキーをしているとゴーグルに雪が付着してしまい前が見えなくなるという課題を、ゴーグルにワイパーを付けることで解決するというアイデア。 三田さんのチームの発表。雪山でスキーをしているとゴーグルに雪が付着してしまい前が見えなくなるという課題を、ゴーグルにワイパーを付けることで解決するというアイデア。

岩田:コミュニケーションロスに関しては、ぼくたちも同じ悩みを抱えていて。メンバーのひとりが、仕事の関係で海外に行ってしまうということがありました。そうなると、お互いの場所が違うし時差も生まれてしまうので、LINEのグループメッセージでやり取りすることが難しかったですね。

幸田:プロトタイプを作る上で苦労した点はなかったのですが、作った後の「これで売れるのか?」というビジネス観点を持つことが難しかったです。もう少し時間があれば、もっとできることがあるはずだと思っています。 

「作れそうなもの」ではなく「作りたいもの」を考えられる

メーカーに勤務する毛利さん。 メーカーに勤務する毛利さん。

——集中講義で得た経験を、今後、日々の生活や仕事でどのようなことに生かせそうですか?

河越:3Dプリンティングのおかげで「最終的には3Dプリンタで出力するんだから作りたいものを考えよう」と制限をかけずに発想できた経験は、今後の研究でも生かせそうだなと思います。私が勉強している機械工作だと、機械で作れるかどうかで発想が制限されてしまっていたからです。 

河越さんのチームがつくった「ストロー保持器」。紙パックに口をつけて飲むと飲み口が汚くなってしまうし、ストローで飲むと途中で落ちてしまうという課題を解決するアイデア。 河越さんのチームがつくった「ストロー保持器」。紙パックに口をつけて飲むと飲み口が汚くなってしまうし、ストローで飲むと途中で落ちてしまうという課題を解決するアイデア。

幸田:2つあります。ひとつは、全然違う文化や価値観を持った人たちと一緒にものづくりをした、このコミュニティ自体。もうひとつは、完成形のプロトタイプお客さまに見せられるようになることです。

私はIT系の仕事をしていることもあって、物理的なものづくりをしたことがあまりありませんでした。今回モデリングの経験をしたことで、仕事でもお客様に完成形のプロトタイプを見せられるので、お客様の受ける印象が変わると思います。

毛利:仕事だと議論が白熱して製品の仕様ばかりに注視する場合があるのですが、そうしているうちに、いつの間にか製品のコンセプトを忘れてしまう状況があるんです。授業では迷った時に、何度も製品設計の段階に戻って「こういう製品を作ろうとしていたんだよね」とコンセプトとユースケースをチームメンバー全員で確認し合うことで、本当に必要な仕様にフォーカスできました。3Dプリンティングを使用すると簡単にプロトタイプを試作できることが分かったので、今後は、実際に作ったプロトタイプを使って、より多くの人に共感してもらえるストーリーやアイデアの部分をもう少し練り直したいですね。

幸田:会社でも「ハッカソン」ははやっているのですが、今後は、アイデア設計から3Dプリンティングまで含めた「3Dプリンティングハッカソン」のようなイベントがあったら、ぜひ参加してみたいですね! 

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