新しいものづくりがわかるメディア

RSS


あッ 3Dプリンター屋の人だッ!!

「アイデアが形に!」3Dプリンティング初心者が感じた、プロトタイプ制作の快感

自分の考えたことが思い通りに作れるという「驚き」を感じてほしい

今回の集中講義は、講師を務めた東京工業大学特任教授の竹田さんが1990年代から3次元ものづくりについて経営学の立ち場から研究をしていて、3次元ものづくりの過程をデザイン思考のワークショップに取り入れたらよいのではないかと考えたことから始まりました。研究活動の過程で知り合った3Dプリンター屋の関係者に声をかけ、二つ返事でコラボレーションがスタートしました。

アドバイザーとして関わった3Dプリンター屋共同経営者の一人、ストーンスープの浦元淳也さんは、集中講義について次のように言います。 

3Dプリンター屋共同経営者の一人、ストーンスープの浦元淳也さん。 3Dプリンター屋共同経営者の一人、ストーンスープの浦元淳也さん。

浦元:授業の内容が、日常の中から課題を見つけて解決するアイデアを具現化することが目的なので、メンバーの意見を聞いて自分はどう思うのか、0から1を生み出す議論が活発だったので良かったです。もちろん最初はモデリングできない発想ばかりでしたが、「できないよ」と言うだけでは発想がつぶれてしまうので、頭の中に描いているアイデアをどうしたら形にできるか誘導することを意識しました。

そうすることで、「そんなところからの視点も考えなければならないのか」と着想を得て、そこからさらなるアイデアが生まれるところがおもしろいですね。

講師の竹田さんは、集中講義を通した「ものづくりの発想法」について次のように話します。 

東京工業大学特任教授の竹田陽子さん。 東京工業大学特任教授の竹田陽子さん。

竹田:新しい発想は、ゴール(問題解決)を目指して具体化していく「収束」の方向の思考と、抽象度を上げて発想の幅を広げていく「発散」の方向の思考を交互に行うことで生まれます。「発散」だけではアイデアがまとまらず具体的なサービスは生まれませんし、だからといって「収束」ばかりだとありきたりなものしか作れないんです。脳の中で両者は相反してしまうらしいのですが、今回の集中講義では、短い期間で「発散」と「収束」の両方を繰り返すよう心がけました。 

新しいアイデアを考えるときは、無理に言語化せずにスケッチしたり身振り手振りで表現したりと、気軽に発想を膨らませることから始めるといいと思います。「ものづくりって思ったより気軽にできるんだ」と感じる人が増えればうれしいです。

今後の3Dプリンター屋とのコラボレーション企画としては、まだ具体的には決まっていませんが、テーマを決めて、ものづくりに日ごろ縁はないけれども興味のある人を募集して、「自分はどういうものを作りたいのか」をワークショップで発想し3Dプリンタで実現する3次元ものづくりワークショップをやってみたいですね。参加者は自分の作りたいものを作れますし、私たちも初めての人たちがどう考えてものづくりをするのか知ることができると思っています。

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る