企業もはじめるFab&Hack
企業×ベンチャー支援の新しいカタチ オムロンによるインキュベーション「コトチャレンジ」とは
社員の意識変革は新たな事業創出への第一歩
——1回目のコトチャレンジで、ベンチャー支援に対するオムロンのメリットとしてどんなことが見えてきたのでしょうか?
「自分たちの新規事業創出にいかにつなげていくかはまだ整理段階ですが、社内で『面白いアイデアがあるから仲間を集めたいな、本業と違うけれどやってみたい!』という意識が芽生えてくると今後の動き方も変わってくるかなと思うので、もっと社内PRを強化していきたいですね。今回のコトチャレンジで弊社社員が参加したチームは、3年程前から若手で集まって活動していたようで、デモデイの時に弊社の役員に『本業も楽しいですが、実はこういうことがやりたかったんです!』とぶっちゃける場面もありました。このシチュエーションでよくぞ言ったという感じでしたが、ポジティブな動きだなと捉えています」
——次回開催に向けてどんな点をブラッシュアップする予定ですか?
「第2回は12月にエントリーを開始して4月からプログラムをスタートします。それに向けて、京都をはじめ主要都市の大学をまわり、アントレプレナーを育てる文科省のEDGEプログラム*1や、Tech系研究室の研究者を対象にコトチャレでプロト作製にトライしませんか?という提案をしています。また、社内(滋賀県草津市)にクリエイトラボをつくる動きがあるので、試作支援にそのラボを活用していこうと考えています。匠の支援については、メンターのバリエーションを増やす予定です。京都/滋賀にはオムロンのOBもたくさんいるので、今後はそういった方にもメンターとして一肌脱いでいただき、幅広いジャンルをカバーしていこうと思います」
——今後も「京都で」という部分にこだわって開催していくのでしょうか?
「いずれは台湾やシリコンバレーへの出張“コトチャレンジ”もと思いますが、周囲の方からは、『京都で開催するからいい』と言われます。それは海外ではオムロンのヘルスケアブランドの知名度が高いので、オムロンの社員がメンターにつくと言えば日本に行きますという人がたくさんいるらしいのです。ですから当面は、京都でエコシステムを構築していくことに注力しようと考えています」
脚注
*1 EDGEプログラム 文部科学省による「グローバルアントレプレナー育成促進事業」。現在、13の大学が参加している。