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量産化の壁を乗り越えて、 マクニカとVAIOがMakersのものづくりを支援

「高品質な量産技術でスタートアップを支援したい」マクニカとVAIOがMakersを支援する理由

限られたリソースの中で、高いクオリティの製品を量産化するにはどうすればいいのか。Makersにとって量産化は依然として高いハードルだ。そういった中、Makersの支援に力を入れており、さまざまなハッカソンや日本各地のファブ施設にプロトタイプキットを供給してきたマクニカが、VAIOと協業してMakers向けハードウェア量産化支援サービスを提供すると発表した。Makersにとってはなじみ深いマクニカが行うだけに、その内容については大いに気になるところだろう。実際にどのような支援が受けられるのか、コストメリットはあるのかなどについて、マクニカの岡田裕二氏とVAIOの堀泰士氏にお話を伺った。(取材:越智岳人、文・構成:元田光一、VAIO本社の写真提供:VAIO)

お互いにMakersの支援に興味を持っていたマクニカとVAIO

マクニカは2014年に「Mpression for MAKERS」というMakersを支援するプログラムを立ち上げている。その中で、ハードウェアのものづくりを支援するプロトタイピングキットや、ファブ施設が利用できる仕組みなどを提供してきた。今回、その取り組みを拡大し、ハードウェア量産化支援サービスを追加した。量産支援の部分をサポートするのが、ソニーから分かれたパソコンメーカーのVAIOだ。Mpression for MAKERS立ち上げ時は、Makersの量産化を支援するところまでは考えていなかったというマクニカが、なぜ今そこまで取り組みを拡大しようと思ったのか。

新しくMpressionに加わった「量産サポート」プログラムでは、QCD(品質、費用、納期)を念頭においたプロトタイピングの設計サポートが提供される(資料提供:マクニカ)。 新しくMpressionに加わった「量産サポート」プログラムでは、QCD(品質、費用、納期)を念頭においたプロトタイピングの設計サポートが提供される(資料提供:マクニカ)。

「プロトタイピングキットを使ったハッカソンなどを開いてみると、スタートアップだけでなく趣味でものづくりを楽しむ人など、さまざまな方が集まってきました。ただ、次のステップとして、もう少しきちんとしたものを作りたいという人がかなりいました。そういった状況を見ているうちに、2015年の前半くらいから量産化の支援について意識し始めました」(岡田氏)

もともとマクニカでは、金型メーカーや量産工場などとの付き合いがあり、Makersとそれらをケースバイケースでつなげたりしていたが、いろいろと苦労があった。そこで、基板から金型製作、パッケージングまで、量産のすべてを担える工場とのアライアンスについて模索を始めた。 

マクニカ  グループ戦略企画本部 イノベーション推進統括部 統括部長の岡田裕二氏。「ある大手電気メーカーの社内ハッカソンを支援した時に、自社の工場は大規模すぎて動かせないので、他社の工場を紹介してほしいと言われました。今の時代、企業の中でも社外と積極的に連携していこうという考え方が広がっていると実感しています」 マクニカ グループ戦略企画本部 イノベーション推進統括部 統括部長の岡田裕二氏。「ある大手電気メーカーの社内ハッカソンを支援した時に、自社の工場は大規模すぎて動かせないので、他社の工場を紹介してほしいと言われました。今の時代、企業の中でも社外と積極的に連携していこうという考え方が広がっていると実感しています」

一方、VAIOの安曇野工場では、パソコンの製造やソニー時代に愛玩ロボット「AIBO」を手がけた技術者のノウハウを生かし、2014年にEMS事業を立ち上げていた。その事業において、富士ソフトの「Palmi」などのロボットの組立を受注していく中で、もう少しものづくりの手前の部分から量産化を支援したいと思うようになっていったという。ちょうどその頃、クラウドファンディングで成功した「Moff」のプロダクトの量産化を手がけることになった。

「VAIOの安曇野工場には、世界に誇る高性能なノートパソコンを製造するためのさまざまな実装装置があります。それらの装置を有効活用するためにEMSビジネスを始めました。じつはMoffさんからの相談があった時点では、果たして当社のノウハウがMakersにも受け入れられるのかという疑問が社内にありました。でも、実際にMoffさんのプロダクトの量産化に関わってみると、私たちが持っている知見や経験を生かしうる新たなビジネスがあるのではないかと思うようになったのです」(堀氏) 

VAIO事業企画部兼マーケティング担当執行役員の堀泰士氏。「VAIOには筐体を極力小さくした上で、効率的に放熱する技術やバッテリーを積み込む技術があります。そのような最先端の技術を生かし、製造をサポートできます」 VAIO事業企画部兼マーケティング担当執行役員の堀泰士氏。「VAIOには筐体を極力小さくした上で、効率的に放熱する技術やバッテリーを積み込む技術があります。そのような最先端の技術を生かし、製造をサポートできます」

マクニカとVAIO。ちょうど同じようなタイミングで、Makersを支援する事業に興味を持ち始めたのである。マクニカがVAIOの安曇野工場に半導体チップを納めていた関係で、もともと両社には付き合いがあった。そこで、2015年半ばにマクニカからVAIOに今回のアライアンスを提案し、年末から調整を進めてきたという。

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