イベントレポート
すごーい!あたまわるーい!知恵の芽を摘む「頭の悪いメカ発表会2」
つもり貯金支援!レシート製造機
新作披露も終盤。石川さんはとげとげしい口調で「金儲けをなめるな」と切り出し、堅実に節約することを提案。そのための手法として「つもり貯金」に目を付けた。
「あるんだけどなぁ…」 |
つもり貯金とは、買ったつもり、食べたつもりなど、「○○したつもり」になってその分のお金を貯金していく方法。効率は良いのだが、どうしても実体が伴わないので満足度が低いことに問題があると分析し、それを解決するデバイスを開発した。
コーヒーやケーキなどいくつかあるボタンを押すと、その金額に該当するレシートがその場で印刷される。つもり感を物理的な証拠で後押ししてくれる画期的なデバイスだが、やや倫理的な面の問題がありそうだ。
「ちゃんとやってしまうと私文書偽造になります」 |
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「奥さんが夫にこれを持たせるディストピアが見えました」 |
さらに、レシートを印刷してから10分以内に財布を開くと「無駄遣いするな」と警告音が鳴る機能も実装されている。高度な技術力に他のメンバーは不安をあおられたようで…。
「ものとして凄い。なぜこの技術をちゃんと使わないのか」 |
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「頑張りすぎると引かれるんですよね」 |
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「正直引いてます…」 |
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「ヘボコンだと一番アレなやつ」 |
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「もう頭の悪い工作卒業ですね」 |
電車の手すりを回す装置
ラストはてらおか現象さん。直接的に金儲けをするデバイスではなく、金儲けをするためのアプローチについて考えてきたと語り、これまで手掛けてきた作品の制作(交通費など含む)にかかった費用を惜しげもなく披露した。
3Dプリントを外注しているため、どうしてもなかなか良いお値段になってしまうようだ。その問題を解決するため、単純なパーツで作品をキット化すればコストを下げることができると考え、今回はレーザーカッターで作品を作るアプローチに挑戦した。
ロングスパンの金儲けのためにキット化を目指した作品が、こちらの「電車のつり革を回す装置」。言葉の意味は分かるのだが、行為の意味が論理を超越している。
「想像してください。ここは電車です。座ってる人の目の前で、僕がこの装置を取り付けて、立っています。」 |
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マシン「ジジジジジ…」 |
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「怖い」 |
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「現代美術作品ですね」 |
これにて新作発表は終了。金儲けというテーマに対し、頭が悪いなりに考えた結果、少し恐怖を感じるほどの幅広さになってしまった。
伝染する頭の悪さ
最後は恒例となったバカ工作あるあるトーク。あるあるネタに共感した来場者が光る棒を頭上に掲げると、それに対応して舞台上のランプが点灯する仕組みになっている。なお、これだけ書くと大層なことに思えるが、その中身はデイリーポータルZ編集部の古賀さんが目視で共感具合を測って手元のバーを操作するという超アナログシステムである。
「なくしたものを見つけた後どうしてますか?繰り返さないために」 |
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「なくなる工具は悪いヤツ、いつもいるのは良いヤツだと思うようにしています」 |
「スライドに乗せるために画像検索したんですけど、1件しか見つからなかった。藤原さんとその人だけなんじゃないですか」 |
ほかにも、
- ホットナイフでプラスチックを切るときに出る煙の臭い、意外と癖になる(マンスーン)
- 適当な長さのねじを買ってくるのでものすごく飛び出た状態で仕上がる(石川大樹)
- タミヤの部品が家からたくさん出てくる(爲房)
など、共感必至のネタが続出。
予定時刻を大幅に過ぎていたこともあり、惜しまれつつも大盛り上がりのままイベントは終了した。
頭の悪さは継続しつつも、技術向上の気配も感じられ始めた今回のイベント。ただのメカ発表会になることを懸念し、もっと頭の悪い一般参加者による持ちよりなども検討されていた。頭を悪く保つのも大変とは、なんだか皮肉なものである。とはいえ、今後もバシバシ無駄なものが生まれていくと思うの、ぜひ皆様には今後もご付き合いいただきたい。
おしらせ
渋谷の偏差値を下げた後は新宿だ!
東急ハンズ新宿店に「頭の悪いメカ」の傑作が集結する企画が現在進行中です。
詳細が決まり次第、あらためて告知します!