fabなび
SHIP(東京 大崎)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は東京都品川区にある「品川産業支援交流施設SHIP」だ。JR大崎駅から徒歩5分のオフィスビル「大崎ブライトコア」の3階と4階にある。
2015年6月1日、SHIPはオープンした。大崎ブライトコアは、大崎地域をものづくりを中心とした街にする構想のもと、fab機能を併設した総合オフィスビル。SHIPの名は“Shinagawa Industrial Platform”に由来し、運営は一般財団法人品川ビジネスクラブが行っている。
「大崎は、昔から製造業が多い地域です。しかし徐々に工場や製造部門などが郊外や海外へ移転していくという状況が続きました。そこでもう一度、今の時代に即したものづくりが生まれる街にしたいという品川区の願いがあり、この場所にオープンすることになりました」(品川ビジネスクラブ チーフコーディネーター 中村裕二さん)
SHIPには2つの顔がある。コワーキングスペースと、シェアオフィスだ。コワーキングスペースは、会員が使用できるフリーアドレスのスペースとなっている。会議室や多目的室も用意されており、別途借り受けてセミナーなどを行うことも可能だ。
もうひとつの顔であるシェアオフィスは、全16室。主にハードウェア開発系やものづくり系、それらをサポートするソフトウェア開発系の企業が入居している。ベンチャー企業だけではなく、外資系や地方企業も入居しているという。
「ベンチャーだけでなく、東京進出の足がかりとして利用する地方企業が入居しているというケースもあります」(品川ビジネスクラブ 事業コーディネーター 分部真由美さん)
工房には、さまざまなファブ機材が設置されている。他のファブ施設ではあまり見かけない、光造形方式3Dプリンタや測定顕微鏡、卓上走査型電子顕微鏡、ラボカッター(研究資料作成など使う切断機)、自動研磨機などが利用できる。
工房の機材は、基本的に機器1台あたり1時間540円で利用可能。材料費は別途必要だが、それでもかなり安い。必要であればオペレーターを付けることも可能で、1回1000円となっている。個人会員に加え法人会員の利用が多いという。
「最近は主婦の方の利用も増えていますね。自分でものづくりがしたいので、3Dプリンタを使ってみたいという方は結構います」(分部さん)
今後は、このSHIPを使う人と地元の企業などをつなぐための機会を作っていきたいという。
「我々の役目は、会員と近隣の企業さんなどがコラボできるようなイベント等を企画し、SHIPという船に多くの方に乗っていただくこと。今後は、ミートアップのような機会をどんどん作っていくことが仕事だと思っています。特に、ハードウェアベンチャー企業がこのSHIPから巣立っていけるような、そういう環境を作っていきたいなと思っています」(中村さん)
京浜工業地帯発祥の地と言われている大崎の、新しいものづくりの拠点。それがSHIPだ。興味のある方は、一度乗船してみてはいかがだろうか?
概要
所在地 |
東京都品川区品川5-5-15 |
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営業時間 |
9:00~22:00 |
ウェブサイト | |
料金 |
【オープンラウンジ】 法人会員A 2万7000円/月 【工房】 540円/時間(機器1台あたりの利用料金) ※料金はすべて税込価格 |