fabなび
おおたFab(FabLab)(東京都大田区)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は東京都大田区の「おおたFab(FabLab、以下おおたFab)」。蒲田にある元小学校を利用した産学連携施設の中にあるファブ施設だ。
おおたFabはスマイルリンクによって運営されている。代表の大林万利子さんがメーカーから独立して立ち上げ、当初はスマートフォンスタンドなどの小物を取り扱っていたが、2013年から3Dプリンターの製造・販売を行うようになる。
並行して3Dプリンター教室なども開講していたが、3Dプリンター業者として出展したイベントでファブラボの運営者と親しくなったことがきっかけとなり、ものづくりを軸に多くの人が集まるアクティブな施設を立ち上げる構想が固まっていった。
各地のファブラボ見学などを経て、おおたFabがオープンしたのは2015年8月。大田区という土地柄、町工場に勤める人が多く来ることを想定していたが、実際には老若男女を問わず幅広い層のユーザーが施設を利用している。
元小学校という立地もあってか、取材当日も明るい雰囲気のなか、子供から大人までそれぞれのペースでものづくりに取り組んでいた。利用者の興味や得意分野は各自の作品制作だけでなくワークショップにも反映され、時にはFabミニ四駆カップなどの大規模なイベントとつながることもあるそうだ。
最近ではロボット製作のワークショップが人気で、特注のタワーに並ぶ自社製マシン10台を含む合計15台の3Dプリンターが活躍する。
決して安価ではない3Dプリンターを大量に保有するファブ施設は少ないが、おおたFabでは一人1台ずつマシンを貸し出せるため、ワークショップに参加する各人が自分で作った実感をしっかりと得ることができるのだ。他にはない3Dプリンターの多さは、おおたFabの大きな特徴になっている。
また、商品化を目指す人への支援や仲間内でのノウハウ共有など、趣味のモノづくりから一歩踏み出すためのサポートが行われているのも特徴のひとつ。いずれも製品販売や3Dプリンターの製造を自社で手掛けるスマイルリンクが運営するからこそ現れた強みと言えるだろう。
「ありがたいことに、最近では作ったものを私が把握しきれないくらい多くの会員さんに利用してもらっています。今の場所では手狭になることもあるので、今後はもう少し場所を広くできればと思っています。また、ロボット教室などのコンテンツも充実させていく予定ですが、子供も大人もゆるくいられる場所という、おおたFabらしい雰囲気は大事にしていきたいですね」(大林さん)
概要
所在地 | 東京都大田区蒲田2-10-1 大田区産学連携施設202 |
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営業時間 |
木曜日 15:00~19:00 |
URL | https://otafab.jimdo.com/ |
料金 |
無料見学会に参加して入会の申し込みを行い、初回講習(有料)を受講した後、1時間当たり以下の価格で利用可能。 |
備考 |
会費は1万5000円/6カ月 もしくは 2万5000円/1年のうちどちらかを選択する。 |