スタートアップのパートナー「工場なび」
三松(小ロット製造代行/金属加工)
福岡県筑紫野市にある三松は板金加工を主軸に、機械装置の設計/制御ソフト開発/部品加工・アッセンブリなどに対応する小ロットの製造代行会社だ。2拠点6000坪の工場を持ち、試作案件から1000個単位の量産までを自社でカバーする。
Makersにとって頼りになる3つのポイント
- 試作案件から1000個単位の量産までをカバー。特急案件にも対応
- 自社案件も含めデザイン性の高いプロダクトの実績があり、デザイン意図をくんだ加工提案ができる
- デザインから流通、資金調達までパートナー先の紹介も含めた相談が可能
三松は金属加工をメインに、半導体/液晶装置の関連部材や建築部品の製作、携帯電話基地局のOEM製造など製造代行を得意とする企業だ。現在は月間で10万個のオーダーに対応する。その7割が1点もので、1個の試作案件から1000個単位の量産まで柔軟に対応できるのが特徴だ。
「社内に設計部門もありますので、企画開発の段階や1個の試作案件でも設計からサポートすることができます」
社員数は約130人。そのうち設計部門には12人が籍を置く。また、加工、塗装、組立など各部門より「三松マイスター」と呼ばれるエキスパート社員を選出し短納期の特急案件にも対応できる体制を敷いている。
自社ブランドでのプロダクト製作も行っており、金属加工のノウハウを生かして開発したメガネスタンドは大手百貨店や有名セレクトショップ等でも取り扱われている。
「コラボレーションするデザイナーからレベルの高い宿題を頂くことで社員の技術研さんにもなります。デザイン上、譲れない点に対して、どう技術で返せるかというやりとりを蓄積してきたことで、他社にとっては作りにくいもの、コストがかかるようなものもお客さまの利益を損なうことなく提案できるようになりました」
他人のふんどしを借りられるなら借りたほうがいい
そういったデザイン性の高い案件やユニークな製品がきっかけとなり、ベンチャーからの相談も少なくない。三松では販路やファイナンスといった直接製造には関わらない面についても相談に応じ、同社のネットワークからパートナーを紹介するなどのサポートも行っている。
「過去にゴミ処理の規制強化があったころに、いくつかのベンチャーからバクテリアに分解させるゴミ処理機案件のご相談があったのですが、資金不足で頓挫したケースや技術的な要件でかみ合わずに量産まで行かなかったケースがありました。唯一、そこそこ売れた会社があったのですが、社員5人だけで全国からのオーダーに自社内で全て対応することになり、遠隔地まで自分たちで納品したりするうちに適切な人員配置もできず、疲弊して事業自体がつぶれてしまったケースがありました。当社は単なる工場機能だけでなく、これまでのつながりからいろいろなパートナー企業も紹介できますから、うまく活用していただきたいですね」
特にプロダクトデザインについては自社案件で培った経験が役立っているという。
「プロダクトデザインの経験が無いデザイナーさんも含め、いろいろなデザイナーさんからの相談を受けてきたことが生きていると思います。デザインと設計という、文化(言語)が少し違う人同士がやり取りを重ねるうちにお互いが分かり合える瞬間というのはあって、そこに当社の加工技術が合わさることで他社では苦労するようなものがコストを抑えながら実現できたというケースも少なくありません」
これまでの豊富な事例から、難易度の高い案件にも対応してきた三松。田名部さんは「他人のふんどしは借りたほうがいい」とアドバイスしてくれた。
「ベンチャーの場合、なるべく自分たちでやるというスタンスでいろいろと背負い込む場合が多いのですが、他人のふんどしを借りられるなら借りたほうがいいと私は思っています。大手さんのような、できる範囲の広い会社をうまく使ってリスク回避することも、事業をスケールさせていく上では重要な選択だと思います。当社でも来年研究開発センターを増設し、よりスケールアップした創造空間をご提供できる計画です。皆さんと一緒にモノづくりの楽しさを事業化していくお手伝いができれば幸いですね。」
概要
企業名 |
株式会社三松 |
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所在地 |
福岡県筑紫野市岡田3-10-9 |
電話 |
092-926-4711 |
URL | http://www.sanmatsu.com/ |
問い合わせ方法 | 問い合わせフォーム、もしくは電話にて |