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Makers’ Base連載企画「Makers’ Bar」

キーワードは「午前0時」——そこから生まれる十人十色な5cmの立方体

「午前0時」という言葉から、オリジナルの物語を紡ぎだした作品も並びました。

「午前0時」は変化する、動き出す時間

こちらは、動くものを作ってみたいという好奇心と、「午前0時→日付も変わる、変化の時間」という連想を組み合わせて生まれた作品群。モーターやゼンマイ仕掛けで、午前0時の魔法にかかったおもちゃのように楽しく動き出します。

動く仕組みに使っているのも、タミヤのギヤボックスやゼンマイで動く昆虫のおもちゃ、磁石など。手軽に手に入るそれらの仕掛けをレーザーカットしたMDFと組み立てて、歩いたり回ったりとさまざまな動きをするおもちゃを作り出しています。「メカ設計の知識は無くても、どうしてもキューブを動かしたい!」という情熱から、動く仕組みを、いくつものおもちゃを分解しトライ&エラーを繰り返して完成しました。「欲しい」の票を最も多く集めたのがこちらの作品でした。

深い夜には、物思い

「午前0時→物思いの時間/日と日の境目」という発想から、「境目を哲学的に表現する」ことに挑んだ作品。中が丸く球でくりぬかれた立方体の形をしています。

くりぬかれた球は、実は立方体と同じ容積で、この作品は立方体と球の中心をそろえ、重なり合う部分を立方体から引いた形状に作られています。同じ容積ながら異なる境目(表面)を持った球をキューブから引き算することで、境目の存在を際立たせる表現です。そして「哲学」という文学的なテーマを掲げながら、非常に数学的なアプローチで答えを導き出したこの作品が、「面白い」賞を受賞しました。

「午前0時」に、ともしたい明かり

最後に、最優秀賞を受賞したのがこの作品。「午前0時→夜」という連想と、作者自身の個人的な関心事とを組み合わせて表現しています。物語がギュッと込められていて、参加者の共感を集めました。

「日本の工芸の良さを伝えること」に対する興味、そして「2015年1月は『阪神淡路大震災から20年の節目、自分も何かしたい』という気持ち、その2つが「夜」という言葉とつながり合い、「携帯提灯」という作品が生まれました。

提灯を膨らませると5cmのキューブサイズになり、セットのマッチでろうそくに火をともせば、暗い夜を照らす優しい光が現れます。全てのパーツは紙製で、丁寧に手作りされています。制作物としての作品の完成度だけでなく、そこに表現された物語の質の高さに、会場は大いに盛り上がりました。

次回のキューブは、「日本のキューブ」

ついに3回目を迎える「Makers' Bar 5×5×5 Cube Etude」、開催が3月27日(金)19:30に決定しました。現在参加申し込みを受付中です。もちろん宿題は「キューブを作ってくること」、そしてキーワードは「日本」です。

「午前0時」を超えた十人十色の表現が生まれる予感がする、「5×5×5 Cube Etude Vol.3 日本のキューブ編」。作品持参の方はもちろん、「ちょっとのぞいてみたい!」という方も大歓迎です。ものづくりの体験をシェアできる「ものづくりの宴」であり「ものづくりの教室」でもあるMakers’ Bar、皆さんのご参加をお待ちしています。

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