女性エンジニアキャリア特集
納得できることに挑戦する!それを教えてくれたのは、小学校の先生と、入社当時の上司——東京電機産業 岡井律子氏
分け隔てなく扱ってもらえたおかげ
——子どものころから理系が好きだったのですか。
理系が好き……というより、文系が苦手でしたね。
幼稚園に入るまでは、近所の同年代の8割ぐらいが男子だったので、そのせいかもしれませんが、女の子っぽいものにあまり興味がなかったようです。一番印象に残っているのは、少し年上のいとこが、板に足を付けたような簡単なロボットを作って遊んでいたこと。面白そうだなと思って見ていました。
——今までで影響を受けた人は。
小学校5~6年生の担任の先生と、入社当時の直属の部長です。
小学校の先生には、人としての基本を教えてもらったと思っています。班長とか学級委員をさせてもらったのもその時ですが、とにかくよく叱られました(笑)。たたかれることもありましたが、子どもながらに納得できていたように思いますし、本当に子どもたちのことを考えてくれていた先生だと思います。
私はもともと運動が嫌いだったのですが、その先生は「体を動かすだけじゃなく、頭を使え」と指導してくれました。私にはそれがとても納得できて、おかげで体育が好きになって、体力もつきました。マラソンで初めて表彰されて、「納得してがんばれば多少は何とかなるんだな」と思いました。
——では入社当時の部長は。
当時はまだ女性が、特にエンジニアとして働き続けるのは難しくて、結婚や出産で辞めるとか、自由に発言しにくいという時代でしたが、男性中心の職場ながら、最初から分け隔てなく扱ってくれました。とても感謝していますし、「部長がいなかったら私も今ここにいない」というくらい、影響力があったと思っています。
自分のアイデアで製品を作ってみたい
——これからやってみたいことはありますか。
今まで関わってきたシステムは、ベースのシステムを強化、改良する仕事が多かったので、まったく新しいものを最初の企画から作っていくことも、一度はやってみたいです。常に技術が進歩しているので、情報を収集して企画に結びつけるのは大変だと思いますが、自分のアイデアで製品を作れたらいいなと。
——最後にエンジニアに挑戦したい女性にメッセージを。
「女性だから」などとあまり気にしないで、自分のやりたいこと、納得できることに挑戦してみるといいのではないかなと思います。やってみなければ何も始まらないですし、やってみて「違う」と思っても無駄にはなりません。仕事をしていれば楽しいことばかりではありませんが、少なくとも私は納得できている。そこが大事なのではないかと思っています。納得できる仕事をしながら、自分の目指したい姿を描いていってほしいと思います。
女性のエンジニアは増えてきたものの、それでも少ないのが実情です。良くも悪くも「女性」とみられます。
ぜひ自分の味方を作ってほしいと思います。いざという時、きっと助けになります。