女性エンジニアキャリア特集
培ったスキルを次に活かせる、積み重なっていく感じが好き——TOTO 根岸知子氏
朝は4時起床!?
——朝早く出社されるとお聞きしていますが、現在活用している会社の制度は。
一つは「フレックスタイム」です。5歳と7歳の子どもがいますので、朝は夫の担当、帰りのお迎えは私の担当になっています。保育園と小学校と2カ所のお迎えの時間に間に合わせるために、フレックスを利用して業務時間の前倒しをさせてもらっています(10時から15時がコアタイム)。平均的な生活は、朝は4時に起きて、5時半頃に家を出て、7時頃に出社、16時半頃に退社です。
もう一つ活用しているのは、1時間単位で、年40時間まで使える「時間有給制度」です。子どもを病院に連れて行くときなどに、とても助かっています。
——限られた時間のなかで仕事と家事をこなすためのポリシーは。
できるだけ毎日、同じリズムで過ごすようにしています。皆さん、自分に合った仕事のスタイルや家事のスタイルを知らず知らずのうちに作り上げて、最も効率のいい形になっているかと思います。そのスタイルを崩さないように意識すると、結果的に仕事や家事もはかどっていると感じます。
私の職場である総合研究所は、女性が約27%と比較的多く、子育てと仕事を両立している方もたくさんいます。皆さん専門のスキルを持ちながら、穏やかで面倒見のいい方が多いので、私もそういう人になりたいと思っています。
「いてくれてありがたい」と言われる技術者に
——これからやってみたいことは。
海外、特にアジア、オセアニア向けの商品を作ってみたいです。水回り機器は、日本人でも一人一人の使い方があると思いますが、海外は文化も違いますし、どのように使われるのかよく分かりません。だからこそ、海外の文化や生活スタイルに合う商品を、現地の方に買っていただけるコストで提案したいと思っています。
——どのような技術者になりたいですか。
会社に貢献できることも大事ですが、周りの人にとって「いてくれてありがたい」と思われるような人になりたいですね。タイムリーに情報を提供したり、アドバイスしたりできるようになるには、実力がなければなりませんし、社外のことに関しても情報通でなければいけないと思いますので、自分自身が技術力をつけながら、社外の人脈も広げていきたいと思います。
——最後に、エンジニアを目指す女性にメッセージを。
学生の頃に数学や物理が得意である必要はないと思っています。ものを作る仕事をする上では、数学や物理はツールです。ツールは、仕事に必要であれば身につける手段はいくらでもありますから、学問として得意かどうかは気にしなくていいと思います。
理系に進んでいる学生の方も、技術職の仕事に就くかどうか迷う時期もあるかと思いますが、好きかどうか、やりたい仕事かどうかで選んでほしいと思います。