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ナイトペイジャー 横田信一郎インタビュー

好奇心が結ぶ町工場とMakerムーブメントの邂逅

こうした憧れの世界だけでなく、身近な存在からも大きな影響を受けた。

「家の近くの河原に、僕らじゃ買えないラジコンヘリやボートで遊んでいる大人たちがいて。そういう身近なおっちゃんからも刺激を受けました。バイクの免許をとると、ヤンチャな先輩たちに連れ回されて。クルマを買ったら今度はそういう人たちがうるさく言うんですよ。MT運転するのにも回転あわせてどーのこーのと。こっちにとってはウザいんだけど、一生懸命説明してくれて(笑) でも今になるって思い返すと、そういうのを教えてくれる人がいたからこそ、どんどんハマったんじゃないですかね」 

ものづくりのプロへの道

高校を卒業するとすぐに父の会社に入社。工場には小さい頃から見ていた旋盤やフライス盤などの工作機械があった。

「自分の車の部品が欲しかったんだけど、雑誌見てもないんですよ。で、オヤジに土日の機械が止まる時間に使っていいか、って了解とって、自分で削って作ってたんです」 

現在の工場は5階建てのビルに48の工場が入居する首都圏最大級の工場アパート「テクノWING大田」内にある。 現在の工場は5階建てのビルに48の工場が入居する首都圏最大級の工場アパート「テクノWING大田」内にある。

こうして始めた部品作りが、ひょんなことをきっかけに仕事へと発展していく。

「あるカーショップで作業してもらってるときに、そこの社長さんがボンネット開けたら見慣れないパーツが付いてて、これ見たことないけどどうしたの? って質問してくれて。この車種に合うモノがなくて作ったんです、って話したら、じゃあうちの仕事を手伝ってくれないか、って22歳くらいの時言われたんです。それでどっかの下請けで作るんじゃなく、自分でブランド立ち上げようって始めたのがナイトページャーです」 

工場内にはFANUCのロボドリルやRoland DGのモデラなどのCNC機器、フライス盤や旋盤まで、新旧さまざまな工作機器が並ぶ。 工場内にはFANUCのロボドリルやRoland DGのモデラなどのCNC機器、フライス盤や旋盤まで、新旧さまざまな工作機器が並ぶ。

日本のクラブシーンの夜明けに立ち会う

一方、音楽への興味も尽きなかった。中学のころ聴いていた坂本龍一さんのラジオ番組で紹介されるリスナーの自作曲を聴くうち、自分でも曲を作りたいという思いが芽ばえた。そして高校時代、日本で初めてのDJコンテストに応募する。

DJコンテスト出場時のプロフィール。「ハービー・ハンコックのRock Itのスクラッチ部分をさらにスクラッチするという、今思えば恥ずかしいこともやってたんですけど(笑)」(写真提供:横田さん) DJコンテスト出場時のプロフィール。「ハービー・ハンコックのRock Itのスクラッチ部分をさらにスクラッチするという、今思えば恥ずかしいこともやってたんですけど(笑)」(写真提供:横田さん)

「延々スクラッチする人もいれば『ハーイこんにちは!』みたいなDJもいました。僕のグループはリズムマシンで打ち込んだトラックで優秀賞をもらったんです。審査員は近田春夫さんや藤原ヒロシさん、優勝したのは今のECDさん。当時日本でヒップホップをやってた人たちがみんないて、そっから色んな人たちと出会うようになったんです」

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