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ナイトペイジャー 横田信一郎インタビュー

好奇心が結ぶ町工場とMakerムーブメントの邂逅

こうしたつながりから、日本のハウスのオリジネータである寺田創一さん、後に MISIAなどを手がける松井寛さん、日本を代表するスカバンド・ミュートビートのメンバーで、いとうせいこうさんらと日本語ヒップホップ草創期に活動したDub Master Xさんらと交流を深め、自らも、後のTRF・SAMさんが所属したダンスチームBe-Bop Crewの音楽を担当。日本のクラブシーン誕生の現場に居合わせることとなる。シンセやリズムマシンなどによる音楽制作の経験は、後にマグネットシンセなどの製作につながる、その原点となった。

ものづくり人生の転換点

ポルシェ911カレラRSで本格的なレース活動も行なっていた。(写真提供:横田さん) ポルシェ911カレラRSで本格的なレース活動も行なっていた。(写真提供:横田さん)

30代になると、作った部品の効果を試すため自らレース活動を行なうなど、パーツ開発にのめり込んでいった。私生活でも子育てなど忙しい時期を迎える。その一方で、父の代から続くカメラの部品作りは、時代の流れとともに次第に先細っていく。

「下請けの立場だとクライアントから好き勝手言われて、それならもうやめた方がいいんじゃないかと考えました。でも借金もあって、従業員も父が若い頃から一緒にやってきた人たちで、そう簡単にはいかないですよね。それで少しずつ規模を小さくしていったんです」

父の会社の中にオリジナルパーツ部門として立ち上げたナイトペイジャーは、地元の先輩からの資金援助もあり別会社として分離。父の代から続いた会社本体はたたむこととなった。  

レーシングカーのようなシフトチェンジができるパドルシフターなど、レースの経験を活かしたオリジナルパーツを次々と開発。(写真提供:横田さん) レーシングカーのようなシフトチェンジができるパドルシフターなど、レースの経験を活かしたオリジナルパーツを次々と開発。(写真提供:横田さん)

Makerムーブメントから受けた衝撃

そうした時に出会ったのが、2009年に多摩センターのデジタルハリウッド大学で開催されたMake:Tokyo Meeting。

「ワクワク感が半端なくて、初めてYMOに出会った時みたいに刺激的でした」しかし同時に、自分が属してきた町工場のコミュニティーとの違いを痛感させられる。 「ワクワク感が半端なくて、初めてYMOに出会った時みたいに刺激的でした」しかし同時に、自分が属してきた町工場のコミュニティーとの違いを痛感させられる。

「大田区では『紙飛行機で図面を投げると翌日製品になって帰ってくる』と言うんです。でもそれは図面をもらわないと製品が作れないことの裏返しでもあります。しかしMake:Tokyo Meetingでは、普段は学生や会社員なのに、家に帰ったら創作活動として開発に打ち込んでるような人たちがいて、住んでる世界が違うように思えました。

でも大田区のものづくりの土壌を使えば、アイデアは持ってるけど機械は操作できないって言う人が、それを形にするために集まってくる町にできるんじゃないかって考えたんです。ただ誰に言っても、また横田がお金にならないことで妄想してる、と。そんなことより航空機産業に参入することでも考えろと言われちゃう。でもそれで、また親会社にコストダウン強要されてしまってはしょうがない。最終製品を作りたいっていう思いの方が強かったんです」 

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